「和室」とは「洋室」という言葉が生まれて現れた言葉です。もともと「座敷」で、畳を敷き詰めた部屋のこと。いまでは、招かれた家で座敷に通され、畳に正座して家の方と対面する機会なんてあまりないかもしれません。でも、公開されているお屋敷などで、二間続きの大きなお座敷や、小さな侘びた茶室などを見ることもあるのではないでしょうか。
実は、床の間、畳、欄間などにもスタイルがあり、ひととおりこれを頭に入れておくと、座敷を見る視座ができ、ここはこういう文脈でつくられた座敷だったのかなぁとか、ここが施主のこだわりポイントだったのかな、などと少しずつ座敷を楽しんで見られるようになってきます。
そのスタイルというのが「真・行・草」。「真」は書道で言えば楷書。略さず真面目な座敷で、武家の建築だった「書院造り」です。床柱はヒノキの各柱。畳の縁にも紋が入っていたりと立派です。
「草」は草書。茶室を意味する「数寄屋」で、床柱にも赤松の皮付きなど自然味のあるものを用い、床の間の形状も省略したり、センスよく崩した感じです。「行」は行書、「真」と「草」の間といってもいいでしょう。

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 床の間、その脇の小さな障子のはまった窓(書院といいます)、戸袋や地袋をもった棚、その3点セットは座敷の見どころで、個性の出るところです。ほかにも天井、建具、壁、欄間など、「真・行・草」のスタイルに添ってたくさんのイラストでわかりやすく解説している記事が「和室の図鑑——真・行・草で[座敷]のイメージをつかまえよう」。ちょっとだけ覚えておくと、きっと和室がいままでとは違う見え方をしてくると思います。オススメです。
(編集・豊永郁代)