おお! 模型だ、模型だ。さあ、見るぞ、村野藤吾建築。目黒区美術館の1階で「千代田生命本社ビル」(1966)が迎えてくれる。現在は目黒区総合庁舎として使われている、お茶室もあるという建物だけど、実はまだ見学したことないんだよなーと思いながら、見ては撮り、撮っては見て。この展覧会は1階部分だけは模型の撮影が許されている。

「千代田生命本社ビル」(1966)模型

「千代田生命本社ビル」(1966)模型

今回出品されている建築模型は、「京都工芸繊維大学の学生たちが図面から建築を読み取り、時間をかけて制作してきたもの」らしい。添えられた詳しい解説と模型制作者クレジットに目がいく。ちゃんと名前が明記されて、きっとご本人は誇らしく見たのではないかなと想像した。京都工芸繊維大学工芸資料館には村野・森設計事務所の建築設計図などが託されていると、コンフォルト編集部で村野さんの本の編集をした経験のある阪口さんが言っていた。深い関係にあるのですね、この大学と村野さん。

「千代田生命本社ビル」模型に添えられたクレジットと解説

「千代田生命本社ビル」模型に添えられたクレジットと解説

そして2階へ。お、多い・・。80点ってこんなにあるのか。これは頑張らなければ、閉館時間になっちゃう。かといって、さっさとも見られない。模型ってなんだか写真とは違う種類の情報なんですね、「読売会館(旧・有楽町そごう)のうらってこうなってたんたっけ」などと見入ってしまう。村野さんの旺盛な仕事ぶりにも圧倒される。これだけの模型を保存しておくだけでもたいへんな苦労では……。

しかし、精緻な模型である。のりがはみ出したところもなく、細いルーバーもゆるぎなくカットされている。白い模型だから色やテクスチャーの情報はないぶん、別のなにかが強調されているかのような。ああ、壁面の写真や図面なども見たいし、現存しないものはもう一度解説読んでおこうかな、などと思うと、模型と模型のあいだをくるくる回ってしまい、どんどん時間が経っていく。

この展覧会オススメします。ただし、時間はたっぷり取って出かけてください。そして私が行ったときには発売直前だった書籍『村野藤吾の建築 模型が語る豊饒な世界』(青幻舎)も販売されているはずなので、ぜひお手に取ってみてください。(編集・豊永)

村野藤吾の建築−模型が語る豊饒な世界

会期:2015年7月11日(土)-年9月13日(日)

会場:目黒区美術館

詳細 https://mmat.jp/exhibition/archives/ex150711