162号の特集「あたたかいガラス」でご紹介しました、グエナエル・ニコラさん率いるキュリオシティが、スタジオ設立20周年を記念して11月16日(金)より3日間限定で展覧会を開催しています(東京・表参道ヒルズ スペースオー)。真っ暗な会場にぼうっと浮かびあがる様々な表情の正方形たち。一見、イーゼルにかかった正方形のそれらはアートピースのように見えますが、実は椅子として機能します。腰かけると中央でパカッと分かれ、座面と背面が現れます。「必要のない時、家具はその機能を隠し、ただ静かに、美しく佇んでいてほしい」。ニコラさんの考える理想の家具の姿を体現したこの椅子は、今回の展覧会のためにデザインされたもの。これまでに協働してきた数々の名だたるブランドや企業が、キャンバスにそれぞれのシートカバーを制作しています。

展示会場の様子。箔一のキャンバス「FLAMING」は、金沢箔の持つ滑らかな質感と荒々しい質感をあらわしている。対極にあるふたつの表情からは、箔一が探求し続けている素材の新たな魅力が感じられる。(写真提供=キュリオシティ)

中でも金沢の「箔一」は、極薄の金沢箔の美しさだけでなく、力強さも感じさせるようなキャンバスを展示されていました。「箔一」とニコラさんの出合いについては、142号の特集「極上の建材、一流の仕事」でご紹介していますのでぜひご覧ください!多様な金箔のテクスチャーに、印象がガラリと変わるかもしれません。

「細尾」によるシートカバー「INVERSE」。

また、300年以上の伝統を誇る西陣織の老舗「細尾」は、なんと織物の裏面をキャンバスにしていました。両サイドの意図的にほぐされた糸とあいまって、織物のありのままの姿が持つ繊細な美しさを表現していました。

写真がないのでお見せできず残念ですが、クリスタルで描かれたスカイラインが印象的な「スワロフスキー」のシートは、座るとラインが開きさらなる輝きを放っていました。座面と背面がリボンのようにクリスタルで繋がれ、描かれた建物がリズミカルに揺らめきます。ぜひ実際に会場でご覧ください。

展示は全部で16脚。各キャンバスにはブランドの伝統や技術、未来への挑戦が詰まっています。

キュリオシティ20周年を記念し、これまでの集大成がつまった作品集も出版。PARCO出版 本体価格 ¥3,800

(編集部/日向春賀)




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