植田正治​作品集出版記念​写真展「もうひとつの風景」

鳥取県​境港市を拠点とし、生涯にわたり遊び心あふれる写真世界を提示し続けた作家、植田正治(1913-2000)。とりわけ砂丘を背景とした演出写真は、ユーモアとシュールな詩情、ポリフォニーを湛えたイメージで​19​70年代フランスを始めとするヨーロッパでの評価を不動のものとし、海外でも「Ueda-cho(植田調)」として知られている。
本展は、昨年12月に『植田正治作品集』(河出書房新社​)が出版されたことを記念して開催される。同書は、初期の家族・子供の演出写真のほか、「童暦」、「小さい伝記」、「風景の光景」、 「音のない記憶」など、主要な作品群から200点以上を精選。植田が自身の写真を「作品」として発表した時点の初出、制作時点での完成形にこだわって編まれたもの。
本展ではこのうち、59歳の植田が初めてヨーロッパを旅した際に撮影され、1974年に植田正治小旅行写真帖としてもまとめられたシリーズ「音のない記憶」にフィーチャー。演出写真で知られる植田のカメラがとらえた、過ぎゆく一瞬の美、”もうひとつの風景”に焦点をあてる。
そのほかの代表的な作品も含めて、あわせて約20点のゼラチンシルバーのオリジナルプリントで構成されるのも本展のみどころのひとつ。店内で販売する『植田正治作品集』と『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』との比較も一興。
関連企画として、『植田正治作品集』の監修を務めた金子隆一氏、飯沢耕太郎氏がそれぞれ登壇するトークイベントも開催(要予約、参加費 各¥2​,000/ワンドリンク付)。

「音のない記憶」 より​ 「通風口をのぞく子ども​」​​ / Paris (1972-1973​)​
Ⓒ Shoji Ueda

トークイベント(各回定員制)
​3月​11日(土) 1​6:00​-1​7:​30
「雑誌の中の植田正治」 金子隆一氏(写真史家)
4月1日(土) 16:00-17:30​
「植田正治とは何者か?」 飯沢耕太郎氏(写真評論家)
参加希望者はメールにて、会場 Books and Modern まで申し込み。

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