西陣織「細尾」の展覧会—1月27日(日)まで

コンフォルト最新号(2019年1月5日発売、166号)で登場していただいた、京都・西陣織の老舗「細尾」の12代目・細尾真孝さんが日本各地の染織の産地を訪ねて取材した雑誌の連載を構築し直した「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES『日本の美しい布』」展が、東京・銀座のミキモト銀座四丁目店7階で開催されています。

会場に入ると、芭蕉布や大島紬、黄八丈などの反物が壁にディスプレイされ、各地を訪問したときに抱いた細尾さんの感想が率直な言葉で添えられていました。一見、いわゆる工芸展のようで、革新派の細尾さんにしては……と思いつつ、第二会場と思われるカーテンを開いて息を飲みました。大きな織機がドーンと鎮座していたのです。

会場に設置された長さ8メートルの織機。

 

記事内でも触れていますが、細尾さんの画期的な開発は、「インテリアテキスタイルとしての西陣織」のための150センチ幅で機械織りの織機です。箔糸を平らなまま織り込んだり、ふくらし織(風通織)など、西陣織ならではの複雑な構造を150センチ幅の機械織りでも実現させたのです。ちなみに帯や着物の反物は31〜38センチほど。その5倍近い幅! 会場では、それを手織りの織機として木製で仕立て、機械織りと同様の9000本の経糸(たていと)を張ったものが展示されていました。経糸を張る作業は、会場で行ったそうです。

スクリーンとなる経糸9000本は手作業で張られました。

 

会場はほぼ闇です。織機だけが浮かび上がっているのです。その光源はというと、プロジェクションマッピング。150センチ幅の9000本の経糸がスクリーンという仕掛けです。1センチあたり60本の経糸という密度ですから、もはや糸というより面と言えるでしょう。そこに映し出されるのは、「京友禅」や「紅花染」など全国の25の産地で撮影された染織の工程です。廃れ行くものをはかなむ、というよりも「未来を見据えた、活気のある産地」という視点でセレクトしたと細尾さん。

織機は組み立て式なので運搬可能、しかも糸の部分は長さを変えられるため、会場に合わせて伸縮可能なのだそうです(今回の展示は8メートル)。

藍で糸を染める作業。
糊を置いた模様に色をつける京友禅。
紅花染めに用いる紅花。

 

150センチ幅という西陣織の織機、経糸のスクリーン、組み立て式。かたちとしては直球だけれど、その展示方法は型にはまらない、世界を舞台に活躍する「細尾」さんらしい演出に圧倒されました。

展示は1月27日(日)まで。ぜひ「細尾」さんの魅力を堪能しに足をお運びください。ミキモト銀座4丁目店の3階の壁面には「細尾」さんの西陣織テキスタイルが貼られていますので、こちらもどうぞ。

Photographed by Kotaro Tanaka

 

「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES『日本の美しい布』」

会期/2018年12月21日(金)~2019年1月27日(日)

会場/ミキモト銀座4丁目本店 7階ミキモトホール

東京都中央区銀座4-5-5

時間/11:00~19:00(入場は閉館の15分前まで)

入場料/無料

主催/MIKIMOTO

協力/細尾(http://www.hosoo.co.jp

映像ディレクション/高谷史郎

展示構成/周防貴之

撮影/片村文人・佐藤新也・田中恒太郎

映像プログラミング/古舘健

グラフィックデザイン/森田明宏

文/井上雅恵

特別協力/学校法人文化学園 文化出版局ミセス編集部

問合せ先/03-3535-4611(MIKIMOTO)

 

(編集部/阪口公子)

Related Posts

Begin typing your search term above and press enter to search. Press ESC to cancel.

Back To Top