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創業100余年の酒屋「桑原商店」の新たなスタート

大正4年から東京・五反田の地で酒屋を営んできた「桑原商店」。約45年間、酒屋の倉庫として使われていた場所が、昨年12月、飲食店を主体とした、酒、食、アートを扱うオルタナティブスペースにリニューアルオープンされたので見に行ってきました!

「桑原商店」外観。桜田通りから路地に入ると、あたたかな光を放つ店舗がひっそりと佇んでいる。
印象的な店先のネオンサイン。店舗サイン計画、グラフィックデザインは松本健一さん(MOTOMOTO inc.)が担当。

空間設計を手がけた長坂常さん(スキーマ建築計画)は、店舗完成までに数回にわたってワークショップを開催。デザインやアート、食、各地の酒蔵などを巻き込み、お店の在り方について一緒に考え意見を取り入れながら計画を行ったそうです。施工には、店舗を運営する4世代からなる桑原家のご家族が総出で携わり、既存の空間に少しずつ手を入れて再構成。昨今注目を集めている「角打ち」としてだけでなく、さまざまなジャンルの人が集うプラットフォームのような機能も備える、オリジナリティのあるスペースになっています。桑原商店 代表の桑原康介さんは、店舗を運営する一方でギャラリー「gallery to plus」も展開しており、ギャラリーと連動した企画展やアートトーク、さらに各地の日本酒や食をテーマにしたイベントも開催予定とのこと。常設展示には木本圭子、風間重美、笠原由起子、青木良太など平面作品から立体作品までさまざまなアート作品が展示、販売されています。作品は壁面に飾られているだけでなく、加工品のディスプレイの隙間に展示されていたり、大きな彫刻は床に直置きされていたりと、空間の随所に散りばめられているので、お酒を片手に店内を周りながら作品を鑑賞するのが楽しいです。

既存のスチールラックの天板に大理石が敷かれたテーブル。飲食スペースであり、イベント時にはトークスペース、さらにはミーティングスペースとしても機能する。左手奥にはさまざまな作家のアート作品が並ぶ。
立ち飲みスペースとして、コンパネとビールケースでできたハイテーブル20人分を用意。キャスターがついているので、場面に合わせてレイアウトを変更できる。

店内奥には、スキーマ建築計画がデザインしたガラス張りの大きな冷蔵ショーケースが。約4mにまで及ぶその大きさはなんと日本最大級だそう。桑原さんがこだわり抜いた日本酒約150種類が並ぶなか、その時期の気候によっておすすめのお酒約40種類が選出され、実際にお好みの酒器で頂くことができます。この日は山梨銘醸「七賢」をセレクト。鼻を抜けるような爽やかな香りにやや辛口の味わい。一杯目にふさわしく、とても美味しく頂きました。

ショーケースのサイズはW4221×D2012×H2300。ずらりと並ぶ日本酒は、各酒蔵の持つ文化や地域性に桑原さんが共感し選んだもの。
盃は左から菅原工芸硝子、ステルトン、能作。酒器選びも楽しい。

また、かつて店舗が倉庫だった頃に使われていたスチールラックの棚には、日本各地から取り寄せた加工品やジャム、乾物、調味料などが揃い、それらをベースにアレンジされたお料理も楽しむことができます。この日私が頂いたのは、「根菜たっぷりのっぺ」と「海峡サーモン」、「ソーセージとベーコンの二種盛り」。お料理はおすすめの日本酒やビールなどに合うようにつくられており、味付けはどれも上品でとても美味しかったです!お料理のラインアップが豊富なので、お店の方におすすめを聞いてあれこれ試してみると良いかもしれません。

「根菜たっぷりのっぺ」新潟の郷土料理。日本酒との相性が抜群。
「海峡サーモン」脂っこくなく身がぷりっとしていて上品なサーモン。
「ソーセージとベーコンの二種盛り」ビールがすすむ一皿。歯ごたえの良いフリルレタスは味が濃く新鮮。

季節によって変わるお酒やお料理のメニュー、アート作品、催し物など、お店は常に変化に溢れていて、いつ訪れても何かが起きているような、ワクワクする空間。五反田にお立ち寄りの際は、ぜひ足を運んでみてください!

 

店舗概要
店舗名 桑原商店
営業時間 10:30〜21:00(飲食 17:00〜21:00)日曜・祝日定休、年末年始休
住所 東京都品川区西五反田2-29-2
TEL 03-3491-4352
運営会社 株式会社 桑原商店

(編集アシスタント 日向春賀)

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