146号で、キッチンの設計について建築家の駒田由香さん(駒田建築設計事務所)とインテリアデザイナーの和田浩一さん(STUDIO KAZ)が熱弁をふるってくれました。対談の場所は、和田さんの事務所の上階にあるご自邸。もちろん設計はご自身です。
オープンなキッチンは、バイブレーション仕上げを施したステンレスt4mmがワークトップ。そのシャープなフォルムは、リビングにもしっくりと溶け込んでいました。和田さん曰く、「キッチンらしさの三大要素は、吊り戸棚と換気扇、冷蔵庫。それらの排除がキッチンをインテリアとなじませるコツなんですよ」。なるほど! たしかに和田邸のキッチンではどれも見当たりませんでした。鍵はパントリーや壁面収納で、家電製品や食品のストックなど、デザインテイストや形状が不揃いなものをすべて隠してしまっていたのです。換気扇も垂れ壁の内側にあって、一見するとコンロの存在をも見逃してしまいそう。
和田邸の完成は、いまから14年前。まだオープンキッチンがさほど浸透していない頃でしたから、嚆矢といえますね。詳細は146号でご紹介していますのでご覧ください。キッチン設計の極意をたくさん掲載しています。
ところで、対談の場には、STUDIO KAZの営業スタッフも参加していました。それが写真のふたり(2匹?)。ほそーい肢体が特徴のイタリアングレーハウンドという犬種で、奥がashさんで手前がsidさん。階下の事務所に資料を取りに降りた和田さんを追いかけるのか、と思いきや、階段でステイ状態。ひたすら和田さんが戻ってくるのを待ち続けていました。その姿のいじらしいこと。キューン! 営業職としての力量を見せつけられたのでした。(編集・阪口公子)