鎧(よろい)と人間をテーマに、現代性や人間性を問いかける美術作家、野口哲哉(1980-)の展覧会。2021年2月以降、香川、山口を巡回し、群馬会場で3カ所め。本展のあと、愛知会場(刈谷市美術館)での開催を予定している。
《21st Century Light Series〜The Tap〜》2020 高松市美術館蔵
多様な文化や感情が混ざり合う、野口哲哉のユニークな世界観は、国内外の幅広い層に支持されている。鎧を着た人物が所在なくたたずんでいるかと思えば、風船を見つめたり、空中に浮かんだり、時にはブランドロゴの付いた鎧を自然に着こなしたり。一見してユーモラスに感じられる野口の作品は、どこか物悲しい雰囲気も帯びており、そこには目まぐるしく移り変わる文明の中で、喜びや苦悩といった矛盾を抱えながら生きる人間の姿が、作家独自の鋭い視点で映し出されている。
本展では、鎧をまとう人々の彫刻や絵画(上の画像)など、初期から新作まで代表作約180点が展示される。野口哲哉の幅広い思考と精緻な作品に込められた優しさと悲しさ、人間への好奇心にあふれた世界を紹介する。
なお、サブタイトルの「THIS IS NOT A SAMURAI」とは、現代の素材と技術を使いつつ、史実に照らし合わせて極めて精巧に制作される野口の彫刻作品を言い表すと同時に、他人にレッテルを貼らない彼の作品世界も表している。
information
野口哲哉展 THIS IS NOT A SAMURAI
会期:2021年7月3日(土)~9月5日(日)
休館日:月曜(但し、8月9日、16日は開館)、8月10日(火)
開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
会場:群馬県立館林美術館 展示室2・3・4(群馬県館林市日向町2003)
観覧料:一般 830円、大高生410円、中学生以下、障害者手帳等を提示の方と介護者1名まで無料
主催:群馬県立館林美術館、朝日新聞社
協賛:野﨑印刷紙業
群馬県立館林美術館公式ホームページ
http://www.gmat.pref.gunma.jp/
野口哲哉展公式ホームページ
https://noguchitetsuya2021.exhibit.jp/