「中山英之展 , and then 愛知巡回展」雑誌｜コンフォルト

建築家中山英之（1972-）の個展。2019年に東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間で開催され、その後、2020年12月から翌年3月にかけて、福岡県北九州市のTOTOミュージアムに巡回した企画展が、さらに進化して、愛知・長久手の愛知淑徳大学にて開催される（オンライン会場も同時公開）。

会場は、愛知淑徳大学長久手キャンパス、5号棟5階プレゼンテーションルーム。乃木坂で開催された展覧会をもとに、同学の建築・インテリアデザイン専攻の学生が、愛知巡回展として再構成。学部3年生を対象とした授業「デザインワークショップ」の一環として行われ、学生たちが会場計画と施工を担当した（指導教官：清水裕二/教授、久保井聡/助教）。

「中山英之展　,and then」愛知巡回展
愛知巡回展会場風景 ©ToLoLo studio

乃木坂および北九州の会場では、展覧会場をミニシアター「CINE間（シネマ）」ないしシネコン（シネマコンプレックス）に見立て、中山氏を含まない6人の監督が「中山英之展 , and then」のためにそれぞれで撮りおろした映像（短編映画）を上映した。今回の愛知淑徳大学会場でも踏襲され、以下の6タイトルが上映される（インターバルを含めた全編視聴時間は約1時間）。

映像作品（計6本）：
《カッコ》表記は中山英之建築設計事務所による作品名） 
1.「岡田邸」（8分49秒） 
監督：岡田栄造空間現代、音楽：空間現代
 2009年竣工《O邸》
  2.「2004」（6分38秒） 
監督：YU SORA、音楽：庄子渉 
2006年竣工《2004》
3.「弦と弧」（8分34秒） 
監督：八方椎太
 2017年竣工《弦と弧》
  4.「家と道」（17分45秒）
 監督：坂口セイン、音楽：坂口セイン、中山順子
 2013年竣工《家と道》
  5.「mitosaya 薬草園蒸留所」（6分2秒） 
カメラ：江口宏志、企画：川村真司
 2018年竣工《mitosaya 薬草園蒸留所》  
6.「かみのいし」（1分42秒） 
監督：梅原徹／砂山太一、音楽：梅原徹

さらに本展では、乃木坂会場にて現物の作品が展示され、「かみのいし」と題した関連映像も上映されている「かみのいし」[*]をベースに製作された、新たなスケールの石で構成された“石のシアター”が登場。新たに作られた大小さまざまな木製の「きのいし」は、乃木坂会場で製作されたものを参照しながらオリジナルとして製作され、その過程の動画などもあわせて展示される。
*.2017年に東京・神保町にある竹尾見本帖本店で開催された企画展「紙のかたち展2」における、砂山太一氏との共同プロジェクト

「中山英之展　,and then」愛知巡回展会場風景
愛知巡回展会場風景 ©ToLoLo studio

中山英之氏からのメッセージ：
この展覧会は、いくつかの映像からなります。
過去に建ち、僕たち設計者の知らない時間を過ごしてきた建物たちを映したものが主です。
だからこれは、建築の展覧会というよりも
建築のそれから／ , and thenを眺める上映会、と言ったほうが正しいかもしれません。
「それから」の時間に建築家は関わることができないように、
それぞれの映像も別人によって撮られ、編集されたものです。
だからこれは、ばらばらなイメージの並んだ小さな映画祭のような展覧会、
と言うこともできるかもしれません。
愛知展では“かみのいし”の新しい展開としての期間限定映画館が、
愛知淑徳大学の学生たちの手によって作られます。
映像といっしょに、空間体験もぜひお楽しみください。

information

「中山英之展 , and then 愛知巡回展」
会期：2021年9月4日（土）〜19日（日）
開場時間：10:00-19:00
入場料：無料
会場：愛知淑徳大学長久手キャンパス 8号棟5階プレゼンテーションルーム
会場住所：愛知県長久手市片平二丁目9
主催：愛知淑徳大学創造表現学部建築・インテリアデザイン専攻、愛知淑徳大学創造表現学会
協力：砂山太一、TOTOギャラリー・間、株式会社アケボノアートワークス、株式会社竹尾、株式会社遠藤照明
詳細：
https://www.aasa.ac.jp/souzou/moai/nakayama-aichi