写真家の林 雅之の作品展「山観山歩(さんかんさんぽ)」が、飛騨産業が展開するインテリアショップ、HIDA東京ミッドタウン店にて10月14日から開催されている。
プロダクトや空間のほか、コマーシャルの領域でも活躍する林は、撮影の仕事の合間には都会の喧騒を避けるようにして日本各地の山々に分け入り、そこにひろがる自然の営みをカメラで捉え続けてきた。山肌を登る雲、樹林に差し込む陽の光など、林が山を歩き、山を観るなかで写し出された、日常では体感することのない独自の世界が、林の写真作品を通じて私たちに提示される。
林 雅之 プロフィール
写真家。東海大学教養学部在学中より写真を始め、フリーランスとして現在に至る。プロダクトや家具などのスチルライフを中心に撮影を行うと同時に、自身の作品制作も行う。
主な展示に、2009年代官山ヒルサイドテラス内の温室・半屋外空間での展示インスタレーション「景花」、2010年南青山スパイラルガーデンでの「Building Building」、2017年[IDÉE SHOP 六本木]での「Black and White」などがある。
作品集に、『mannequins』(2005年)、『the secret life of mannequins』(2010年)、『Building Building』(2010年)、『Living Flowers』(2012年)などがある。
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本展で登場する山々は、富士山のほか、日本アルプス山系の穂高岳や乗鞍岳から、首都圏近郊の低い山まで広範囲で多岐にわたる。中でも注目は、本展のために撮り下ろした奥飛騨の原生林の写真作品。飛騨産業が大切にしている価値観のひとつである「森と歩む」を掲げてものづくりを続けている、同社のルーツともいえる飛騨の森に林 雅之が分け入り、レンズが向けられている。
飛騨高山より黎明の乗鞍岳 Photo: Masayuki Hayashi
また、本展では、林氏の写真作品のためにオリジナルで額を用意しているのももうひとつの見どころ。ビーチ材をステインで仕上げたブラック仕様のものと、ビーチ材をソープフィニッシュで仕上げたもので、林氏と交流のあるTAKT PROJECTの吉泉 聡氏がデザインを担当した。構造上、極限まで細くしたフレームで、木工加工技術を生かして飛騨産業が製作している。
会場風景 Photo: Masayuki Hayashi
TAKT PROJECTのデザインによるオリジナルの額装 Photo: Masayuki Hayashi
HIDA東京ミッドタウン店 概要
会場となるインテリアショップ・HIDA東京ミッドタウン店は、2017年に「飛騨を、日々へ。」をコンセプトに、飛騨産業と、飛騨にゆかりのある作家作品を発信する店舗としてオープン。エンツォ・マーリ、柳 宗理、アトリエ・オイ、原 研哉といった、国内外のデザイナーとのコラボレーションで生み出された、木の温もりにあふれる上質な空間を提案している。
本展では、林氏の作品をHIDAの家具とコーディネートして展示しているのも特徴で、暮らしの中にさりげなくアートを取り入れ、気軽に楽しむことを提案している。
林氏の作品は、本展の会期中、吉泉 聡氏がデザインした額装とセットで販売される。
会場風景 Photo: Masayuki Hayashi
information
「山観山歩」展
会期:2022年10月14日(金)~ 11月6日(日)※会期中無休
営業時間:11:00-20:00
会場:HIDA 東京ミッドタウン店
店舗所在地:東京都港区赤坂9-7-3 E0301 東京ミッドタウンガレリア3F
入場料:無料
主催:飛騨産業
フォトフレームデザイン:TAKT PROJECT Inc.
グラフィックデザイン:sakurai design inc.
特別協力:乗鞍山麓五色ヶ原の森
協力:GIN-ICHI Corp. Onoue Printing Inc.
*作家在店日(予定):10月14日、15日、22日、29日、11月3日、5日、6日 ※各日とも午後以降