京都工芸繊維大学美術工芸資料館にて、「建築家・鬼頭梓の切り拓いた戦後図書館の地平」が3月22日より開催されている。会期は6月10日まで。なお、同館では、同一の会期で「村野藤吾と長谷川堯―その交友と対話の軌跡」も開催されている。
建築家の鬼頭梓(きとう あずさ|1926-2008年)は東京・吉祥寺の生まれ。戦時下に青年期を過ごし、戦後の1946年に東京帝国大学(のちの東京大学)第一工学部建築学科で建築を学ぶ。卒業後は、前川國男建築設計事務所に入所。前川國男(1905-1986年)のもとで、神奈川県立図書館・音楽堂(1954年)、世田谷区民会館・区庁舎(1959・1960年、現存せず)などの設計を担当した。1964年に独立して後も、東京経済大学図書館(1968年)、日野市立中央図書館(1973年)、洲本市立洲本図書館(1998年)など、30を超える図書館を国内の各地で手がけている。建物だけでなく、図書館の書架や家具もデザインしており、戦後の民主主義の時代らしい、誰もが等しく利用できる公共空間を目指し、”図書館建築のパイオニア”として大きな足跡を残した。
本展では、設計原図、撮り下ろしの現況写真、模型などを通して、”生活の根拠地”としてのさまざまな図書館を設計した鬼頭の仕事と、その背後にある建築思想を紐解き、改めて紹介する。
information
京都工芸繊維大学美術工芸資料館 企画展「建築家・鬼頭梓の切り拓いた戦後図書館の地平」
会期:2023年3月22日(水)〜6月10日(土)
会場:京都工芸繊維大学美術工芸資料館(京都府京都市左京区松ケ崎橋上町1)
休館日:日曜・祝日
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般200円、大学生150円、高校生以下無料
※京都工芸繊維大学の学生・教職員は学生証・職員証の提示により無料
※大学コンソーシアム京都に加盟する大学の学生は学生証の提示により入場無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳または被爆者健康手帳の提示で本人と付添い1名まで無料
※会場では新型コロナウイルス感染症対策を実施
主催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
特別協力:金沢工業大学、NPO法人建築文化継承機構(JIA-KIT建築アーカイヴス)、前川建築設計事務所、建築ジャーナル
京都工芸繊維大学美術工芸資料館ホームページ
https://www.museum.kit.ac.jp/