本誌を始め雑誌などへの登場は数知れず。単行本も出版している左官・挟土秀平の6冊目となる著書。自身のブログ「遠笛」から生まれた。いかにも著者らしい題名だが、時を重ねてさらに厚みと深みが増したようだ。後半の「日の丸弁当の唄 紅色」「日の丸弁当・ワンカップ酒の唄 夕暮れ色」などの淡々とした情景描写には、これまで以上の余韻が感じられる。身体中の穴をすべて開いて受け止める「ひりつく」感性、自分を追い込んでいく生き方、そこから生まれる左官という表現。多くの女性いや男性も魅了する挟土秀平、健在なり。
清水弘文堂書房刊 本体1,500円
*来年のNHK大河ドラマ「真田丸」の題字やタイトルバックも担当している。