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新しい障子が生み出す、心に響く空間<PR>

BOLD LINEのLAYER RANDOM。組子を二重構造に組み、両面に障子紙を貼ることで、立体感のある陰影が生み出される。

木と手を体感する「KITOTE東京ショールーム」がオープン
障子の新時代を拓くブランド「KITOTE」が生み出す空間を体感できるショールームが、東京・文京区にオープンした。
新鮮なデザインの組子障子は、和風を超えた可能性を伝えてくれる。

取材・文/清水 潤 撮影/梶原敏英
コンフォルト2025年6月号No.203より

KITOTEは和歌山市の総合木工メーカー・中井産業が2014年に立ち上げた障子のブランドだ。同社は1935年に創業、木製建具全般、とくに障子の生産を得意としてきた。だが、生活スタイルの大きな変化、住宅需要の減少などで、伝統的な建具は量的にも質的にも衰退していくフェーズへと移り、いまや暮らしの中から消えつつある。 
2011年に三代目社長を引き継いだ尾﨑義明さんは、その流れに任せず、冷静な判断力と湧き上がる情熱をもって、障子の未来を拓こうと決意し、ブランド化に踏み切った。

「KITOTEのコンセプトは伝統的な障子、組子の技術をベースに、現代の建築空間に合う障子をつくることです」と話す。見積もりや生産ラインをシステム化し、明るく快適な工場を新設するなど、ものづくりの環境も整備。ウェブサイトでの発信や国内外の展示会への出品などをきっかけに大きく注目されてきた。

二つのシーンで空間を魅せる

今年2月に東京ショールームを移転し、それまでの製品展示型から、体験型に替えた。背景の一つには一段と進む和室離れがある。
「今の若い建築家やお施主さんは、和室のない家で育った方が多くなっています。馴染みの薄いものは採用しづらいですよね。僕らはもっと、障子のすばらしさを伝える努力をしなければいけない。だから、限られたスペースですが、二つのシーンをつくりました」

一つはホテルのシーン。「世界的なインテリアトレンドになっているジャパンディをイメージしています」。ジャパンディは北欧と日本を融合させたデザインテイストだ。もう一つは洋風のバーなど、飲食スペースのシーン。いずれも和にこだわらない。むしろ洋の空間に、障子が斬新さをもたらす可能性を表現する。

光と障子がつくるシーン

光をやわらかく透過する障子の美しさをシーンに織り込んでいることも特徴だ。照明の色と明るさを変化させることで、朝昼晩と時の移ろいを映す障子の魅力に気づかされていく。「光壁のように障子を取り入れることも、これからの使い方として提案しています」と尾﨑さん。
KITOTEのデザインバリエーションには BOLD LINE と SLIM LINEの2つがあり、合計10シリーズ20パターン。BOLD LINEは組子、桟、框の見付寸法を18ミリメートルに統一し、複数枚並べても全体で一つに見える。SLIM LINEは一般より細い6ミリメートルの見付寸法の組子で、伝統的な技法を用い、浮遊感のあるパターンや、組子の密度を変えて幾何学模様を構成するなど、障子のイメージから抜け出た感性でデザインされている。「障子は軽いのがいいところで、すぐに入れ替えて見ていただけるんです」と、尾﨑さんはストックから障子をすいすい取り出し、丁寧に解説してくれる。

SLIM LINE NUKI/MOON + SUN

SLIM LINE TOME/SOUND

BOLD LINE STRUCTURE/TRUSS

BOLD LINE LAYER/LAYER CHECK

建具、パーティション、照明やアートにも
デザインパターンは、ブランディングデザイナー・西澤明洋さんと共につくりあげた。二つのライン、10シリーズ20種類がある。ここのコーナーでは、障子を入れ替えることができる。照明の明るさや色もシームレスに変えられる。上右/縦の組子の長さを変えることで、正円を抜き取ったようなデザインに。ここでは、対照的な二つを組み合わせている。上左/四角形が重なり合うデザイン。四隅を留の技法で接合している。下右/このラインは桟、框、組子の断面サイズが18㎜に統一され、シンプルでフラットな面の障子となる。直線的な力強いデザインが印象深い。下左/p.121と同シリーズ。マス形の組子をずらした二重構造。通常の障子より断熱性に優れる。※1枚の最大サイズは高さ2400、幅1200㎜。材の樹種は吉野杉、吉野檜、スプルースから、障子紙は和紙、ワーロンなどから選択できる。ショールームでは、葦戸(よしど)や伝統的な雪見障子もストックしている。なお「KITOTE」は、2015年グッドデザイン賞、Design for Asia Awards 2016、iF DESIGN AWARD2017(ドイツ)を受賞。

素材は最上質の吉野の杉、檜

使われている木の上質さはひしひしと伝わってくる。和歌山に隣接する吉野の山の杉、檜からよい柾まさ目めがとれる大径木を選び、木取り、天然乾燥し、建具材としたもの。「肉で言えば特上ロース」という尾﨑さん。組子が細くても2メートルの高さでも、材がまっすぐで、時間を経ても反らないように、含水率をきっちり管理している。
「KITOTEは一つのきっかけなんです。障子に可能性を感じてもらい、デザイナーや建築家の方がデザインし、それを僕らがつくり、魅力的な空間ができればいい」
 日本の文化と技術が込められた障子。ここは、その価値に気づく場所となる。

KITOTE東京ショールーム
東京都文京区大塚3-35-2永盛ビル1階
※完全予約制 
中井産業本社tel.073-452-1188まで

https://kitote.jp/
※本誌2021年4月号に工場見学の記事を掲載


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