映画「人生フルーツ」を観ました

東京・東中野の「ポレポレ東中野」で「人生フルーツ」という映画を観てきました。
よい評判は聞いていたのですが、途中から滂沱の涙。嗚咽しないかが不安なほどでした
(実際、後ろの席の女性は「うっ、うっ」と声を漏らしていました)。

最初期の日本住宅公団の設計のエースだった津端修一さんと妻英子(ひでこ)さんの物語です。
2015年に90歳で修一さんは亡くなりますが、その前後の日常を切り取ったドキュメントです。

途中では修一さんが関わった「高蔵寺ニュータウン」についての物語や、伊万里での病院のプロジェクトなどの話も出てきます。それは夫妻の生き方を示す大事なエピソードですが、舞台はほぼ、家の中と庭の菜園。ナレーションは樹木希林さん。夫妻は最後までアクティブで、屋根の上にのぼったり塀をまたいだり。

 

津端夫妻の暮らしが、建築家の3つの言葉でまとめられています。直接津端夫妻から出た言葉か監督が選ばれた言葉かはわかりません。この映画はほんとうに、これら3つの言葉に集約されていると思います。

「家は、暮らしの宝箱でなくてはならない」(ル・コルビュジエ)
「すべての答えは、偉大なる自然のなかにある」(アントニオ・ガウディ)
「長く生きるほど、人生は美しくなる」(フランク・ロイド・ライト)

また修一さんは映画のなかで「時をためる」という言葉を使っておられますが、
その意味がどんどん心に染みていくのです。
たんたんとした暮らし。
その美しさ、そしてそれを守ることの強さがどんなに希有なことか。
本来、暮らしとは、それほど大切にしなければならないのだなと、日頃の生活を反省しました。

今日、この映画を観られてよかったです。もしもご覧になるようでしたら、かなり人気のようなので、早めにいって席をとられたほうがベターです。

ハンカチは必携です(たぶん)。

 

上映館:ポレポレ東中野 (4月下旬まで上映の予定)

(編集部 豊永郁代)

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