ホテル号取材での「特別な体験」

「特別な体験のためのホテル」特集が3月5日に発売されました。

コンフォルトでのホテル特集も5回目。

年々、ホテルが提供しようと考えることにも個性が出てきているように感じます。

私は2つの「特別な体験」をしてきました。

 

1つめは、京都の仁和寺

1泊100万円! という宿、松林庵をつくったとの情報を聞き、

びっくりしながら取材を依頼しましたが、ご快諾いただき、

1月の寒い日、駅からバスで現地へ向かいました。

 

金閣寺や龍安寺を通り過ぎ、だんだん静かになっていく車内。

そして仁和寺のバス停で降りると、

迎えてくれる仁王門の大きさに、まず圧倒されます。

境内に入ると、さらにその敷地の広さにも驚かされました。

遠くに見える、国宝の金堂。

この場所にたたずむだけでも、

これまでに来ていた京都とは違う、静かな時間の流れを感じます。

そこに時おり舞う雪も美しく、寒さを忘れて見とれていました。

 

そこからの、100万円も納得のめくるめく「特別な体験」は

ぜひ誌面をご覧いただきたいのですが、

通常の宿坊、御室会館に宿泊した人も、朝の勤行には参加できるとのこと。

こちらはリーズナブルな料金なので、気軽に泊まれると思います。

取材した日にも、

「2回目なんです」というおひとりで来られている女性がいらっしゃいました。

 

修復を終えた新しい観音堂も、間もなくお披露目になりますし、

毎年4月ごろに咲く御室桜も、一度は見てみたいものです。

ぜひ、次の京都旅行の訪問リストに入れてみてください!

 

真っ暗な中はじまった勤行を終えて金堂を出ると、空が白みはじめていました。

 

 

そして、もう1つは北海道・十勝の「MEMU EARTH HOTEL」。

いまも毎朝、NHKの「なつぞら」を観ながら、十勝の空を思い出しています。

 

取材にうかがったのは、2月のはじめでした。

もともと雪が少ない十勝地方、今年はぜんぜん雪が積もらなかったそうですが、

取材の前日からはしっかり雪になり、空港に着陸できるのか不安な出発でした。

無事に定刻通り着くと、もう真っ白!

空港からの車中ですでに、空の色や山々の稜線、樹々のかたちにすでに釘付けになってしまいます。

 

そして、1時間ほどで大樹町に到着。

ここは「メムメドウス」として環境実験のためにつくられてきた建築に泊まれるのも特徴です。

取材時は隈研吾建築都市設計事務所による「メーム」だけが客室でしたが、

5月中旬からはほかの実験住宅も宿泊可能になるそうです。

 

新雪の上をずんずん進んで行って「メーム」を撮影中のカメラマン、繁田諭さん。足元、ちょっと埋まっているのわかりますか?

 

私は、D型倉庫を伊東豊雄建築設計事務所が改修した「スタジオ」にいる時間が多かったですが、

天井の高い空間と窓から見える景色、そしてスタッフのみなさんの

さりげないけれど抜群なタイミングでのおもてなしが居心地よくて、

出張中の宿題もとてもはかどりました。

 

「スタジオ」の暖炉に火がはいると、あったかいのはもちろん、気分もくつろぎます。

 

もちろん、満点の星空や、早朝の散歩で見つけたいろんな動物の足跡、

敷地内で飼育する馬が水を飲む音だけを静かに聞く時間、

帰りのクルマから見たキタキツネなど、

とても贅沢な体験もたくさんできました。

 

ペーターが水を飲む音はけっこう心地よく、ここで一人で過ごしていたらハイジになった気分でした。

 

もちろんとても寒いけれど、朝日がのぼっていく様子はいつまでも見てしまいます。

 

なんと!! 「MEMU EARTH HOTEL」を取材したことを、

十勝毎日新聞さんが取材して、記事にしてくださいました。

MEMU EARTH HOTELの野村社長が、笑顔でコンフォルトを持ってくださっています。

 

十勝毎日新聞、3月 15日の朝刊に掲載されています。

 

さらに、5月17日まで(4月26日〜5月7日はお休み)、

東京・神谷町のORANGE BRAINELY(東京都港区麻布台1-11-10 日総第22ビル1F)で

メムアースホテル展を開催しているそうです。
実験住宅の紹介に加えて、オリジナルグッズや道内外の

クリエイターのアイテムも販売しているそうなので、

ご興味のある方は足を運んでみてください。

 

今回の企画を話しているときに編集長に言われた

「自分のルーツと向き合うような旅」という言葉が、頭に残っています。

ガイドブックに載っている観光地だけをスタンプラリーのように巡ることが目的ではない、

自分だけの旅。

私が行くならどこだろう…とずっと考えています。

みなさんなら、どこに行って、どんな体験をしますか。

 

(編集部・渡辺未央)

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