茶箱の点前デリバリー

うづくりをかけた桐の箱のふたを開けると、棗(なつめ)や茶碗、茶杓、茶筅(ちゃせん)、建水(けんすい)がぴったりと納まっていました。ふたをひっくり返すとアルミのバイブレーション仕上げの板が敷いてあり、その上に道具を一つひとつ並べてからご挨拶、「お茶一服さしあげます」。

146号でお世話になった、セキデザインスタジオの秋山光恵さんが、茶の修業の一環として桐の茶箱を携えて編集部にお茶を点てに来てくださいました。

ご挨拶する秋山光恵さん。
ご挨拶する秋山光恵さん。

茶箱とは点茶道具一式を入れた携帯用の小箱で、大きいものだと長さ6寸5分(約196ミリ)、幅4寸2分(約127ミリ)、高さ3寸8分(約115ミリ)程度。道具類も小ぶりなものを使います。だけれども、秋山さんの箱はそれよりももう少し大きいサイズでした。なんとデザインはご自身で手がけられたそうです。「お茶の先生の依頼で、オフィスなどでもこの箱があればすぐに点てられるように茶道具一式を揃えたものです」(秋山さん)。桐の箱は春日部の桐を専門に箱などを製作しているところへ、茶碗は陶芸家の横山拓也さんに依頼したもの。ヒノキを刳りだした建水も、茶箱を包んだ麻布もオリジナルです。

お菓子をいただきながら、じっと点前の様子を見つめていると、ふだん慌ただしい時間が過ぎていく編集部が、静かな空気感をまとって、まるで別次元! その後には、一人ずつ点前を体験して、秋山さんに召し上がっていただいたり、自服したり……。気づくと2時間も経っていました。その後は、お茶の効果でしょう、仕事が捗りました(たぶん)。秋山さん、次回を期待しています!

お菓子は、「加賀 華てまり」(雅風堂製)。
お菓子は「加賀 華てまり」(雅風堂製)。お茶は「吉の白」(ながた園詰)。
多田編集長は初点前。
多田編集長は初点前。

*セキデザインスタジオでは、空間をはじめ、家具や日常の道具もデザインしていて、webサイト「素のもの」https://sekidesignstudio.jp/sonomonoでは厳選した素材による美しい道具の販売もしています。

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