マギーズセンターは、がんで1995年に亡くなった、造園家のマギー・K・ジェンクスの願いからつくられた、「がん患者とその家族、友人のための無料相談支援の場」である。マギーの夫で、建築史家・建築評論家であり、造園家でもあるチャールズ・ジェンクスと、がん専門看護師のローラ・リー(現マギーズセンターCEO)によって1996年、マギーが入院していたエジンバラの総合病院の敷地内にひとつめの施設が開設された。
建築のコンセプトは「第二の我が家」で、施設は小規模ながらも、訪問者を歓迎し、元気を取り戻せる居心地の良い場所になっている。開設から20年が過ぎた現在、各地の訪問者や隣接する病院の医療者からの評判は高く、多くのニーズを呼び寄せ、チャリティによる運営であるにも関わらず、英国内に21センター、海外には香港、東京、バルセロナの3カ所がある。
同施設の理念に数多くの建築家が賛同し、マギーズの建物を設計しているなかで、マギーのコンセプトを大きく担っているのが庭である。施設を訪れた訪問者が、安心と、本来の自分の力を取り戻し、生きる喜びを見つけていく過程において、彼らが眺める庭のデザインは、極めて重要となっている。
本展は、マギーの理念を通して、建築空間と庭の関係性を考察する。空間が、がんという病と日々向き合う人の心にどのような効果をもたらすことができるのか、建築とデザインの可能性を探る。
スケジュールの変更について
本展は、新型コロナウイルス感染症の予防および感染拡大の観点から、会場が臨時休館に入るなど、スケジュールが変更となっており、見学も日時を指定する事前予約制。 予約方法、入館規定や最新の開館状況については、会場ホームページを参照のこと。