リーラ・ショーブル「Subsequence Landscape」

Leela Schauble, Growing in the Dark (regenerate), 2020 ©︎Leela Schauble Courtesy of the artist

オーストラリア人アーティスト、リーラ・ショーブル(Leela Schauble)による、日本における初の個展。
ショーブルは1989年生まれ。オーストラリアのメルボルンを拠点とし、写真や映像の制作活動を行っている。彼女の作品の重要なテーマは、気候変動などの自然環境問題。今に至る活動のきっかけのひとつとなった、2015年に参加した北極圏でのアーティスト・イン・レシテジデンスにおいて、彼女は人類がもたらした自然環境への影響を目の当たりにする。以降は、人類と環境との関係を自身の研究テーマとし、2018年にはアマゾンの熱帯雨林で、アーティストや研究者と共に活動をするアーティスト・イマージョン・プログラムに参加。当地での撮影をもとに制作されたのが、本展でも発表されるシリーズ「Growing in the Dark」と「Signal」である。

Leela Schauble, Growing in the Dark (gather), 2020 ©︎Leela Schauble Courtesy of the artist

「Growing in the Dark」は、アマゾンの奥地に生息する植物を写真で捉えたシリーズ。過酷な環境変化に適応しながら強かに生きる植物の姿は、生命そのもののかたちであり、崇高な神秘さをもたたえている。「Signal」は、LEDライトを用いた映像作品のシリーズで、自然環境の中に設置したライトをSOSのシグナルに見立て、自然と人間との関係を問い直す試み。
現地の研究者との間で行なったフィールドワークを通して見出された、生態系の背後にある科学の存在は、彼女の制作活動において重要な役割を担っており、環境というテーマを、アートというジャンルに留まらない多角的アプローチによって見事な作品に昇華させている。
また本展では、ショーブルの活動の原点となった北極圏で、2015年に撮影された「North」シリーズと、ビデオインスタレーション「Signal II」も展示され、彼女の環境問題に対峙する視座と、現在に至るまでの作風の変遷を辿ることができる。

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