金沢21世紀美術館「コレクション展 スケールス」

身体の中で絶えず構築される複数のスケールについて、見るものに考えるきっかけを提示する展覧会。
ある物や空間について、思っていたより大きい、思っていたより小さい、と感じることがないだろうか。それは、その物や空間の「サイズ」のみによるのではなく、それを経験する身体の位置や視点、また身体に記憶されているものや空間との関係の中で相対的に生まれる経験からきている。
本展では、数値化することのできる「サイズ」に対し、関係性の中で伸縮する「スケール」に焦点をあてる。金沢21世紀美術館のコレクションから、それぞれプロポーションの異なる7つの展示室に作品を展示する。風景、空虚、音の響き、人の記憶、植物や無機物の持つ時間の流れなど、作品が扱う世界は計測し難く、尺度を切り替えるたびに別の姿をあらわす(注.作品によっては、会期の前期または後期のみの展示)。

ス・ドホ《階段》2003
透明ナイロン サイズ可変
© Do Ho Suh
Courtesy of Do Ho Suh and Lehmann Maupin
photo: KIOKU Keizo

本展を構成する主な作品のひとつ、ス・ドホが、過去に居住した空間を実寸大の持ち運び可能なファブリックで再現した作品《階段》は、同館が開館した2005年のコレクション展示「アナザー・ストーリー」以来、15年振りに公開される。また、藍の染色技法により自然の景色に高い抽象性と時間的な奥行きを現した福本潮子の作品《霞の幔幕》(前期展示)、街の片隅に捨てられたLED掲示板に着想を得て、不規則に明滅する光が鑑賞者の身体感覚に直に訴えるチェン・ウェイの作品《道端のマレーヴィチ》、《前代未聞の自由》は、収蔵後初の公開となる。

福本潮子《霞の幔幕》2002
藍染、麻、レーヨン紐
H200×W1000cm、H200×W1100cm
© FUKUMOTO Shihoko
INAXギャラリーでの展示風景(2003年10月1日~10月29日)

出品作家(アルファベット順):チェン・ウェイ、福本潮子[前期展示]、イザ・ゲンツケン、アニッシュ・カプーア、ギジェルモ・クイッカ、宮﨑豊治、ス・ドホ、フィオナ・タン、田中信行[前期展示]、ツェ・スーメイ[後期展示]、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、ヴラディミール・ズビニオヴスキー[後期展示]
※出品作品は都合により変更になる場合があり

information

「コレクション展 スケールス」
会期:2020年10月17日(土)~2021年5月9日(日)
前期展示:2020年10月17日(土)~2021年1月31日(日)
後期展示:2021年2月2日(火)~5月9日(日)
開場時間:10:00-18:00(金・土曜は20:00まで、1月2日、3日は17:00まで)
※鑑賞券販売は開場の30分前まで
休場日:月曜(但し、11月23日、2021年1月11日、5月3日は開場)、11月24日(火)、12月29日(火)~2021年1月1日(金・祝)、1月12日(火)、5月6日(木)
会場:金沢21世紀美術館 展示室1~6(石川県金沢市広坂1-2-1)
料金:一般 450円、大学生 310円、小中高生無料、65歳以上 360円
※美術奨励の日(会期中の毎月第2土曜日)は金沢市民は無料(要証明書の提示)。
問合せ:076-220-2800
金沢21世紀美術館ホームページhttps://www.kanazawa21.jp/

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