隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

日本を代表する建築家の一人、隈研吾(1954-)の大規模展。数ある隈氏の設計作品の中から、公共性の高いものを中心に30件を選び、模型や写真やモックアップなどで紹介するもので、その全てに、隈自身による作品解説がつく。さらに、庁舎のような大型施設だけでなく、リノベーションした居酒屋のような小さな建築も含めて紹介するのが本展のポイント。展示される建築作品は、それぞれ「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」という、隈氏が考える「5原則」によって分類される。

さらに本展では、瀧本幹也、藤井光、津田道子、マクローリン兄弟など、第一線で活躍するアーティストが本展のために映像作品を制作するのも特筆点。隈研吾建築が、作品ごとに異なる造形性だけでなく、竣工後にどのように使われているか、いかに街や地域との関係を結んでいるかといった観点からも考察を試みる。

英国〈V&Aダンディー〉 2018 ©Hufton+Crow

サブタイトルに含まれる「ネコ」とは、本展で発表される、猫の視点から都市を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則》に因んだもの。高度経済成長期のように都市を上から俯瞰するのではなくて、地べたに近い下からの視点で見るべきである、という隈氏からのメッセージが込められている。同プロジェクトの展示では、隈氏と同じく世界を舞台に活躍するデザイン・イノベーション・ファーム、Takramとの協働により、隈氏とゆかりの深い東京・神楽坂にてフィールドワークやGPS測定を実施し、そのリサーチの成果を、3DCGやプロジェクションマッピングを用いて展示する。

〈雲の上の図書館 / YURURIゆすはら〉 2018 ©Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

僕が事務所を始めて、バブルがはじけたりして大変なことがあったちょうどその時に、梼原町で、自分の建築の方向性とでもいうべきものを見つけることができました。ものすごくお世話になり、思い出もたくさん詰まった高知県という場所で展覧会ができるということを、楽しみにしています。

隈 研吾

information

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
会期:2020年11月3日(火)〜2021年1月3日(日)
開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日:2020年12月27日(日)〜2021年1月1日(金・祝)
会場:高知県立美術館(高知県高知市高須353-2)
TEL:088-866-8000
観覧料:一般 1,300円、高校・大学生 800円 、小・中学生 500円
※当日券の販売あり、但し、予め日時指定券の購入を推奨
※未就学児童は無料
※年間観覧券所持者は当日料金の半額
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、および被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名まで)、高知県および高知市の長寿手帳所持者は1,000円
※第3展示室のみ観覧無料
主催:隈研吾展高知実行委員会、東京国立近代美術館、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会

展覧会特設サイト(日時指定予約はこちら)
https://www.kutv.co.jp/kumakengoten/

高知県立美術館ホームページ
https://moak.jp/

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