京都市京セラ美術館開館記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」
© Sugimoto Studio

長年、市民に親しまれてきた京都市美術館が、京都市京セラ美術館としてリニューアルする開館記念展。当初の予定では、約2年半におよぶ改修工事を経て、2020年(令和2)3月21日に全館オープンするところ、新型コロナウイルス感染症予防と拡大防止のため、延期となっていた。各種対策を講じ、当面は京都府民限定の事前予約制としたうえで、5月26日より開館し、開館記念展も以下の日程でそれぞれ開幕する。

 

日程が決定している展覧会(5月25日発表)
ザ・トライアングル「鬼頭健吾:Full Lightness」
2020年5月26日(火)〜9月6日(日)※以下3つの展覧会のいずれかの予約者のみ観覧できる
「杉本博司 瑠璃の浄土」
2020年5月26日(火)〜10月4日(日)
「コレクションルーム 春期」
2020年5月26日(火)〜6月21日(日)*予約受付開始
「京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点」
6月2日(火)〜9月6日(日)*5月29日(金)より専用予約サイトにて予約受付中

 

美術館としての歴史は古く、昭和天皇の即位の大礼を記念して建設され、開設は1933年(昭和8)11月。帝冠様式の外観が特徴的な建物は、当時のまま現存する国内最古の公立美術館建築である。開館80周年を機に策定された再整備基本計画に則り、基本設計者を決める2015年(平成27)の公募型プロポーザルにおいて、青木淳・西澤徹夫設計共同体が選出された(後に、青木氏は京都市京セラ美術館館長に就任)。

今回の改修工事によって、平安神宮の参道に面した前庭部分に、スロープの広場と、ガラスリボンと呼ばれる地下1階部分から出入りするメインエントランスが設けられるなど、市民に親しまれた外観および内部の空間を保存しながら再生または復元しつつ、敷地東側の日本庭園側には、青木氏が設計した新館〈東山キューブ〉が新たにオープンした。こけら落としとなる企画展が、すでに美術系雑誌などでも紹介され、注目度の高い「杉本博司 瑠璃の浄土」である。

© Sugimoto Studio

杉本博司は、1970年代より、大型カメラを用いた高度な技術と独自のコンセプトによる写真作品を制作し、世界的に評価の高い、日本を代表する現代美術作家のひとり。古今東西の古美術にも精通し、歴史的資料や考古遺物などの蒐集、建築設計、舞台演出など、幅広い活動で知られている。写真、しつらえ、立体などさまざまに発表される作品は、時間という概念を超えて、人間の知覚や意識の根源に対する問いを、見る者に常に投げかける。

《光学硝子五輪塔 カリブ海、ジャマイカ》 2011 / 1980, 小田原文化財団蔵 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Odawara Art Foundation
《仏の海 001》 1995 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

本展では、展覧会にあわせて新たに制作された、京都蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)中尊の大判写真を含む「仏の海」や、世界初公開となる大判カラー作品「OPTICKS」シリーズといった写真作品が披露されるほか、「京都」「浄土」「瑠璃ー硝子」にまつわるさまざまな作品や、杉本がこれまでに蒐集してきた考古遺物も展示される。また、館外の日本庭園には、杉本による《硝子の茶室 聞鳥庵モンドリアン》も登場(展示は2021年1月31日まで)。
写真を起点に、宗教的、科学的、芸術的探求心が交差しつつ発展する杉本の創造活動を一気に辿る大型展。長きにわたり、浄土を希求してきた日本人の心のありようを見つめ直す。
なお、本展は、杉本が京都の美術館で開催する、初の大規模な展覧会となる。

《瑠璃の浄土》 2005, 小田原文化財団蔵 © Hiroshi Sugimoto / Odawara Art Foundation Photo: Yuji Ono
《硝子の茶室 聞鳥庵》 2014 ©Hiroshi Sugimoto Architects: New Material Research Laboratory / Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida. Originally commissioned for LE STANZE DEL VETRO, Venice / Courtesy of Pentagram Stiftung & LE STANZE DEL VETRO.

注意事項
新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前予約・定員制での開館となる(館内のカフェ、ミュージアムショップなどの無料エリアへの入場にも展覧会の予約が必要)
予約は、京都市京セラ美術館ホームページに開設された専用サイトにて受付。
※「杉本博司 瑠璃の浄土」以外の展覧会の観覧規定、入場料など詳細は、同館ホームページを参照

タイトル 京都市京セラ美術館開館記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」 日時 2020年5月26日(火)〜10月4日(日)10:00-18:00 ※入場は閉館30分前まで 休館日:月曜(祝日の場合は開館)年末年始 会場 京都市京セラ美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町124) 料金 一般 1,500円、大学・高校生 1,100円(*)、中学生以下無料 *京都市内在住または通学の高校生は無料(確認できるものを持参してください) 障害者手帳等を提示の方は本人及び介護者1名無料 6月18日までは府民限定、19日より解除(6月2日インフォメーション) 来場は前日までに要予約 詳しくはホームページを参照 電話番号 075-771-4334(10:00-18:00) 会場ホームページ https://kyotocity-kyocera.museum/

 

Information

タイトル 京都市京セラ美術館開館記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」
日時 2020年5月26日(火)〜10月4日(日)10:00-18:00 ※入場は閉館30分前まで 休館日:月曜(祝日の場合は開館)年末年始
会場 京都市京セラ美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
料金 一般 1,500円、大学・高校生 1,100円(*)、中学生以下無料
*京都市内在住または通学の高校生は無料(確認できるものを持参してください) 
障害者手帳等を提示の方は本人及び介護者1名無料
6月18日までは府民限定、19日より解除(6月2日インフォメーション
来場は前日までに要予約
詳しくはホームページを参照
電話番号 075-771-4334(10:00-18:00)
会場ホームページ https://kyotocity-kyocera.museum/

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