分離派建築会100年 建築は芸術か?

日本で最初の建築運動とされる、分離派建築会に光をあてる展覧会。昨年10月から12月にかけて、東京のパナソニック汐留美術館で開催された企画展が京都に巡回する。

分離派建築会が結成されたのは、明治期以降の西洋の様式建築の導入がほぼ達成され、最新の建設技術にふさわしい新しい建築のあり方が模索されている最中の1920年(大正9)。メンバーは、東京帝国大学(現・東京大学)建築学科の卒業を控えていた、石本喜久治、瀧澤眞弓、堀口捨己、森田慶一、矢田茂、山田守の同期計6名。山田はのちに《日本武道館》を設計したことでも知られる。

森田慶一
《京都帝国大学楽友会館
》1925(大正14)年
撮影:若林勇人 2020(令和2)年

彼らは「過去の建築圏からの分離」を宣言し、学内の第二学生控所で習作展を、続いて白木屋(東急百貨店日本橋店の前身)で第一回作品展を開催。その革新的な内容は、同世代の建築家や学生たちの注目を集めた。このあと、大内秀一郎、蔵田周忠(濱岡周忠から改称)、山口文象(岡村蚊象から改称)が加わり、1928年(昭和3)の第七回まで作品展を重ね、出版活動も展開。1922年(大正11)には、東京・上野公園を会場に開催された「平和記念東京博覧会」での展示館を設計。ほかにも、住宅、公共的建築、商業建築などの実作を通して、自分たちの考える建築の芸術とは何かを世の中に発信していく。

本展では、分離派100年研究会の学術協力を得て、変革の時代を鮮やかに駆け抜けた分離派建築会の活動の軌跡を辿る。彼らが希求した建築の芸術とは何か。日本近代建築の歩みのなかで果たした役割を、図面、模型、写真、映像、関連する美術作品など計250点の展示品などで再検証する。

分離派建築会100年展 京都会場展示品

「SYMPHONY OF VOLUMES」2020年
映像制作:戸村 陽(Gehry Technologies)/ CGモデリング制作:長澤 寛 / 録音・音楽制作:上村洋一 / 監修:田路貴浩(京都大学)/ 企画:本橋 仁(京都国立近代美術館)

大学を卒業したばかりの20代の若い建築家によって結成された分離派建築会にスポットをあてた企画展として、彼らの活動を懐古的に振り返るのではなく、現代において新たな解釈のもとで分離派建築会の活動を再考する試みとして、現代のアーティストが参画した展示もみどころ。展示品の1つ、山田守が生前、「分離派展」に出展した際の「墓」の模型をもとに制作された「SYMPHONY OF VOLUMES」では、山田守が設計した建築で収録した音源をもとに、アーティストの上村洋一氏が制作した音楽もあわせて鑑賞できる。
また、コロナ禍で会場を訪れることができない観覧希望者に配慮して、本展に関連したオンラインコンテンツも各種配信中。アーティストの中村裕太氏、小田原のどか氏、大室佑介氏による批評記事のイベントページにアップされる予定。

information

「分離派建築会100年 建築は芸術か?」
会期:2021年01月6日(水)〜3月7日(日)
開館時間:9:30-17:00
※開館時間は変更になる場合があります。詳細は会場ホームページでご確認ください
休館日:月曜
入館料:一般 1,500円、大学生 1,100円、高校生 600円
※中学生以下、心身に障がいがある方とその付添者1名は無料(要証明)
※本展の観覧券でコレクション展も観覧可
会場:京都国立近代美術館(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)
問い合わせ:075-761-4111
会場ホームページhttps://www.momak.go.jp/
関連イベント「おうちで楽しむ展覧会」https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2020/440-02.html

※新型コロナウイルス感染症防止策を実施(詳細は下記・会場アナウンスを参照)
入館に関する注意事項https://www.momak.go.jp/Japanese/news/?sy=2020&tp=news#post-104791

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