ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展

17世紀オランダを代表する画家で、写実的かつ綿密な空間構成と美しい光と影の表現で、日本での人気も高い作家の1人、ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。彼の筆によるものであると確認されている作品が少ないことでも知られる。
そのフェルメールの貴重な作品であり、初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》が、東京、北海道、大阪、宮城の4都市を巡回する展覧会「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」にて公開される。
日本国内巡回展のトップを切る会場、東京都美術館での展覧会は、当初は2022年1月22日から公開されるところ、コロナ禍の影響を受けて延期となり、待望の開幕となった。

ヨハネス・フェルメール《窓辺で手紙を読む女》
左:ヨハネス・フェルメール《窓辺で手紙を読む女》(修復前) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Herbert Boswank (2015)
右:ヨハネス・フェルメール《窓辺で手紙を読む女》(修復後) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

ドレスデン国立古典絵画館の至宝、《窓辺で手紙を読む女》は、女性の背景の壁にキューピッドの画中画が描かれていることが、1979年の調査で判明しており、長らくフェルメール本人が塗りつぶしたものと考えられてきたが、近年の科学的な調査により、作家の死後、何者かによって行われたものであることが明らかとなった。その後、長い時間をかけて専門の職人によって表面のニスなどが取り除かれ、フェルメールの描いた当時の姿に修復された。
修復後の作品は、まずドレスデン国立古典絵画館にて公開され、その後、世界に先駆けて日本で公開されている。
会場では、修復が完了した《窓辺で手紙を読む女》だけでなく、修復プロジェクトの過程を伝える映像資料や、修復前の精密な複製画も同じ展示室内にて公開されるため、状態の違いを比較しやすく、また「誰がなぜキューピッドを塗りつぶしたのか?」というミステリーを含み、鑑賞の楽しみの1つとなっている。

レンブラント・ファン・レイン《若きサスキアの肖像》
レンブラント・ファン・レイン《若きサスキアの肖像》1633年 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut

また本展では、ドレスデン国立古典絵画館が《窓辺で手紙を読む女》を収蔵するきっかけになった、17世紀から18世紀にかけての2代のザクセン選帝侯が収集した貴重なコレクションも公開されているのも見どころ。フェルメールと同時代に 活躍した巨匠レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)、ヤーコプ・ ファン・ライスダール(1628-1682)など、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点を公開。

information

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
会期:2022年2月10日(木)~4月3日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
休室日:月曜(※但し、2月14日[月]と3月21日[月・祝]は開室)、3月22日(火)
開室時間:9:30-17:30(入室は閉室30分前まで)
夜間開室:開催状況は展覧会公式サイトにて要確認
観覧料:一般 2,100円、大学生・専門学校生 1,300円、65歳以上 1,500円
※日時指定予約制を実施、予約はオンライン・プレイガイドにて受付
※今後のコロナ禍の拡大状況や東京都および国の要請などにより、スケジュールが変更される場合あり(最新情報は、展覧会公式サイトおよび会場・東京都美術館のホームページ・SNSなどで告知)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、産経新聞社、フジテレビジョン

展覧会公式サイト
https://www.dresden-vermeer.jp/

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