「まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―」

「まれびと」と「祝祭」について、現在の視点からとらえ直すことを試みる企画展。監修者は、文芸評論家で多摩美術大学教授の安藤礼二氏。

「まれびと」とは、民俗学者で国文学者でもあった折口信夫(1887-1953)が提唱した概念を指す。折口はそれを、祭祀などに、超現実の世界から現実の世界を訪れて、またもとの世界にかえってゆくという、人間を超えた存在として捉えている。

「まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―」展
パーントゥ 沖縄県宮古島市平良島尻、2006、撮影:石川直樹

そもそも時間や空間を一新する強大な力を持つ「まれびと」は、もたらし、追いはらうという両義性を持つ存在でもあるが、それはすなわち「まれびと」が異物としてもたらされた病でもあり、その病を彼方へ追いはらい救いをもたらす神でもあるということを意味している。こうした一見すると矛盾している概念が同居する状況を、古代から私たちの社会が内包してきたことは、コロナ禍によって混迷した昨今の状況を、いま一度、考察し直す契機となる。

さらに遡った古の時代から、人類は幾度となく疫病の脅威にさらされてきたが、祝祭(祭り)と、その時間的・空間的中心に現れるまれびと(来訪神)を信仰することで、災いを乗り越えるという経験を重ねてきた。
感染症のパンデミックにより、不可避的に閉ざされた関係を強いられている現在だからこそ、改めて「まれびと」と「祝祭」に目を向け、石川直樹や岡本太郎らの作品とともに読み解く。

「まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―」展

information

「まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―」展
監修:安藤礼二(文芸評論家・多摩美術大学教授)
会期:2022年3月2日(水)~2022年8月21日(日)
開場時間:11:00-19:00
休館日:月・火曜
会場:日本橋高島屋S.C.本館4階 高島屋史料館TOKYO(東京都中央区日本橋2丁目4-1 日本橋高島屋S.C.)
入場無料

※会期中、本展監修者の安藤礼二氏によるオンラインセミナー(録画映像)を開催予定。詳細は以下のページにて発表
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/seminar/

高島屋史料館TOKYOホームページ
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/

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