東京ステーションギャラリー「東北へのまなざし1930-1945」

本展は、ブルーノ・タウト(1880-1938)、柳宗悦(1889-1961)、シャルロット・ぺリアン(1903-1999)、今 和次郎(1888-1973)、洋画家の吉井忠(1908-1999)ら、それぞれが向けた「東北へのまなざし」を紹介し、複層的な「眼」を通して、東北地方の今昔を読み解くことを試みる。

本展タイトルにある1930年(昭和5)から1945年(昭和20)は、日本が世界大戦への道を突き進み、敗戦を迎える時代である。暗い世相である一方で、タウトらによってヨーロッパのモダンモダンがもたらされ、その萌芽が育まれつつ、モダンとクラシック、都会と地方の両極で揺れ動いた時期でもあった。

東京ステーションギャラリー「東北へのまなざし1930-1945」
ブルーノ・タウト(原型指導)《椅子(規範原型 タイプC)》1933年原型指導、仙台市博物館

1933年にドイツから来日したタウトは、『日本美の再発見 タウトの見た日本』にも記された桂離宮に対する賞賛などがよく知られているが、同著には、日本滞在中に3度におよんだ東北訪問記にページが割かれている。数多くの写真も残しているタウトの東北へのまなざしには、冷静な批評性が滲む。民藝運動の祖の1人である柳宗悦の懐古的なそれとは非なるものであった。戦後に著した「考現学」のイメージが強い今 和次郎のまなざしには、東北出身者ならではの特徴がみられ、福島出身の吉井忠も同様であった。

東京ステーションギャラリー「東北へのまなざし1930-1945」
芹沢銈介《日本民藝地図(現在之日本民藝)》部分、1941年、日本民藝館

タウトが嘱託として招かれた仙台の工芸指導所(当時の商工省管轄)の講師として、シャルロット・ペリアンがフランスから招かれたのは1940年。東北を含む日本各地を視察したあと、竹などの素材をとりいれたプロダクトを制作、翌年に都内で開催した展覧会で披露している。この間、ペリアンと柳には民藝運動を通して交流があり、ペリアンと今は、旧農林省管轄の積雪地方農村経済調査所(雪調)の仕事をそれぞれ手がけている。

東京ステーションギャラリー「東北へのまなざし1930-1945」
今和次郎《積雪地方農村経済調査所 雪国試験農家家屋 透視図》1937年、工学院大学図書館

展示構成
第1章 ブルーノ・タウトの東北「探検」
第2章 柳宗悦の東北美学
第3章 郷土玩具の王国
第4章 「雪調」ユートピア
第5章 今和次郎・純三の東北考現学
第6章 吉井忠の山村報告記
※会期中、一部展示替えあり(前期:7月23日~8月21日、後期:8月23日~9月25日)

本展でスポットがあてられる15年という短い期間に、タウト、柳、ペリアン、今(弟の純三を含む)、吉井が、数年ないし数カ月の一時期にせよ、東北を舞台にそれぞれに活動し、足跡を残した。本展の見どころは、前述の国内外の諸氏それぞれで異なる「まなざし」の特徴と、周辺と後世にまで与えた影響の大きさがうかがい知れることにある。
当時、後進的な周縁地とみなされてきた東北地方が、じつは豊かな文化の揺籃(ようらん・ゆりかごの意)であり、そこに生きる人々の営為が、現在と地続きであることを改めて検証する。
2022年4月以降、岩手県立美術館、福島県立美術館で開催され、今回の東京ステーションギャラリーでの展示で巡回が終了する。

東京ステーションギャラリー「東北へのまなざし1930-1945」ポスター

Information

「東北へのまなざし1930-1945」
会期:2022年7月23日(土) 〜9月25日(日)
会場:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1 ※東京駅丸の内北口改札前)
休館日:月曜(但し、8月15日、9月19日を除く)
開館時間:10:00-18:00(※金曜は20:00まで開館。入館は各日とも閉館の30分前まで
入館料:一般 1,400円 高校・大学生 1,200円 中学生以下無料
※障がい者手帳などの持参・提示で100円引き(介添者1名まで無料)
※学生は学生証の提示要
※会場では新型コロナウイルス感染症対策を実施
※展示室内の混雑を避けるため、日時指定制を導入、各時間で入館人数の上限を設定
主催:東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)、日本経済新聞社
特別協力:日本民藝館

東京ステーションギャラリー公式サイト
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp


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info[@]confortmag.net
応募締切:2022年8月8日(月)
ご応募をお待ちしております。

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