【読者プレゼントあり】神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 コレクション展「美しい本 —湯川書房の書物と版画」

湯川成一(1937-2008)が1969年に大阪市で設立し、1998年から2008年に閉業するまで京都を拠点とした書肆・湯川書房。湯川が世に送り出した美しい書籍の数々を紹介する回顧展が、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて開催される。
「美しい本」の創造を掲げ、作品選定から装幀、造本に至るすべての工程を、創業者の湯川がひとりで担っていた湯川書房。版画家の木村 茂、岡田露愁、柄澤 齊、坂東壮一、染色家の望月通陽、画家の戸田勝久ら気鋭の美術家と協働し、1冊ずつ手づくりされた限定本は、文学と共鳴する工芸品の域に達しており、愛書家たちのあいだでは「湯川本」と称され、高く評価されていた。2004年度の造本装幀コンクールでは優秀賞を受賞している。

「美しい本—湯川書房の書物と版画」
『谷崎潤一郎家集』谷崎潤一郎(著)1977年 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:佐治康生

また、湯川は自らの審美眼で作家の才能を見出し、辻 邦生『安土往還記』、望月通陽『出埃及記』、村上春樹『中国行のスロウ ボート』、柄澤 齊『雅歌』、車谷長吉『抜髪』といった書籍を次々と刊行。そうした湯川書房には、文学者や美術家らが集い、文学談義が日夜繰り広げられたという。湯川は俳句や書画、骨董にも造詣が深く、永田耕衣からグラフィック・デザイナーの渡邊かをるの本まで幅広く手がけた。

本展は、蒐集家の岡田泰三の寄贈により、2016年度に神奈川県立近代美術館に収蔵されたコレクションから、書物のユートピアをめざした湯川書房の独創的な作品を展覧する。
湯川の没後は、2010年に「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展が大阪市内(会場:GALERIE petit bois)で開催されているが、本展は公立美術館が湯川書房の全貌を紹介する初の機会となる。

「美しい本 —湯川書房の書物と版画」
『oedipus』望月通陽(著・型染)1981年 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:佐治康生

また、本展にあわせて、書物の挿絵を出自とする木口木版の作品で知られ、湯川書房で多くの共作を残した、造形作家の柄澤 齊の作品も紹介。1980年代より発表をはじめた文学への深い造詣にもとづく〈肖像画〉シリーズをはじめとする代表作が展示されるほか、3月12日には柄澤が登壇するトークイベントも開催される。

information

展覧会名:「美しい本—湯川書房の書物と版画」
会期:2023年1月21日(土)〜4月16日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1)
開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜
観覧料:一般 250円、20歳未満・学生 150円、65歳以上と高校生 100円
※中学生以下無料、障害者手帳などの提示で本人および介助者原則1名まで無料
※毎月第1日曜日(2023年2月5日、3月5日、4月2日)は「ファミリー・コミュニケーションの日」につき、18歳未満の子ども連れの家族は割引あり(但し、65歳以上を除く)。ほか、観覧料割引の詳細は、会場ホームページを参照。
主催:神奈川県立近代美術館

神奈川県立近代美術館ホームページ「鎌倉別館」
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/annex

「美しい本—湯川書房の書物と版画」

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info[@]confortmag.net
応募締切:2023年2月12日(日)
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