愛知県瀬戸市の愛知県陶磁美術館にて、特別展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」が1月28日より開催されている。
本展では、主に装飾芸術の分野で19世紀に活躍したウィリアム・モリス（1834-1896）をはじめ、イギリスとアメリカのアーツ・アンド・クラフツ運動の代表作家による「心豊かな暮らしのためのデザイン」の数々を見ることができる。ウィリアム・モリスが初期に手掛けた壁紙をはじめ、モリス商会の代表的なテキスタイル、家具のほか、モリスが晩年に情熱を注いだ書籍デザインなども展示される。
《サセックス・シリーズの肘掛け椅子》 おそらくフィリップ・ウェッブ 1860年頃 Photo ©Brain Trust Inc.
タイル《バラと格子》 ウィリアム・ド・モーガン 1872年頃 ド・モーガン工房 Photo ©Brain Trust Inc.
モリスの理念と実践は、次世代のデザイナーや建築家たちに大きな影響を与えた（本展では、モリスに共鳴した代表的な作家の作品もあわせて展示され、日本では見る機会の少ない作家たちの作品も含まれる）。
さらにアーツ・アンド・クラフツ運動じたいも、産業デザインとして大きく発展。リバティ商会をはじめとする各社が、テキスタイルやジュエリー、本などの取り扱いを開始したことで、美しいデザインのプロダクトがより多くの人々の手に届くようになり、世界各地に拡がっていく。
アメリカにおいては、18世紀に独立した新興国らしい合理性とクラフツマンシップを発揮したプロダクトが生み出された。本展では、アーツ・アンド・クラフツ運動がティファニーや、建築家のフランク・ロイド・ライト（1867-1959）に与えた影響についても考察を試みる。
挿絵《エレーン：国王牧歌》ジェシー・マリオン・キング 1903年 ジョージ・ラウトリッジ・アンド・サンズ出版社 Photo ©Brain Trust Inc.
展示構成
第1章 モリス・マーシャル・フォークナー商会とモリス商会
第2章 アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会
第3章 英国におけるアーツ・アンド・クラフツの展開
第4章 アメリカでのアーツ・アンド・クラフツ
本展は、広島県のふくやま美術館、山形県の米沢市上杉博物館と、東京の府中市美術館でも2022年に開催された展覧会の巡回。愛知県陶磁美術館では、今回の特別展開催にあわせて、同館オリジナルの特集展示「アーツ＆クラフツの陶芸－産業技術総合研究所のコレクションから」も併催される。国立研究開発法人産業技術総合研究所の陶器コレクション（愛知県陶磁美術館寄託）の中から、イギリスとアメリカのアーツ・アンド・クラフツに関連する陶磁器を展示する。
information
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン
フランク・ロイド・ライトからウィリアム・モリスまで」
会期：2023年1月28日（土）～3月26日（日）
会場：愛知県陶磁美術館 本館（愛知県瀬戸市南山口町234）
開館時間：9:30-16:30（入館は16:00まで）
休館日：月曜
観覧料：一般 900円、高大生 700円、中学生以下無料
※各種割引設定あり（詳細は美術館のホームページを参照）
主催：愛知県陶磁美術館 朝日新聞社
後援：ブリティッシュ・カウンシル、愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社（リニモ）
企画協力：株式会社ブレーントラスト
愛知県陶磁美術館 ホームページ
https://www.pref.aichi.jp/touji/
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