テキスタイルデザイナーの須藤玲子(1953-)と、彼女が率いるNUNO(布)のこれまでの活動を包括的に紹介する展覧会が、香川県丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて開催されている。
須藤氏とNUNOによる日本各地の職人や工場との協働作業や、素材の可能性を拡げる取り組みを軸にしているのが特徴で、完成したテキスタイルに加え、テキスタイルが「出来るまで」の内容も本展では披露。須藤氏のアイデアのソースや、アイデアが実現するまでの試行錯誤、テキスタイルがつくられる工場の様子なども展示を通して知ることができる。これらの制作過程は音と映像のインスタレーションとして構成され、国内外での展示でこれまでに須藤氏と何度もコラボレーションしている齋藤精一氏(パノラマティクス主宰)がアーティスティックディレクションを担当した。
須藤玲子《カラープレート》スケッチ 撮影:林 雅之
また、本展では新作もお目見え。建築家の谷口吉生(1937-)の設計で知られる同館のファサードと、エントランスの吹き抜け空間にて、インスタレーションとして展開されている。
会期中、出品作家によるワークショップや、本展を担当したキュレーターによる展示解説なども実施される予定。
本展は、2019年にCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile、香港)が企画して開催された展覧会に始まり、2021年にJapan House London(イングランド)、Dovecot Studios(スコットランド)、2022年にTextilmuseum St.Gallen(スイス)でも開催されている。今回が待望の日本巡回・凱旋展となる。なお、NUNOの大規模個展が国内の美術館で単独開催されるのは今回が初。会期は12月10日(日)まで。
information
「須藤玲子:NUNOの布づくり」展
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市浜町80-1)
会期:2023年10月8日(日)〜12月10日(日)
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜
観覧料:一般950円、大学生650円、高校生以下または18歳未満・丸亀市在住の65歳以上 無料、各種障害者手帳の提示で本人と介護者1名まで無料
※同時開催の常設展「猪熊弦一郎 生活に美を」観覧料を含む
※11月23日(木・祝)は開館記念日につき観覧無料
問合せ先TEL:0877-24-7755
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
企画:高橋瑞木(CHAT館長兼チーフキュレーター)
会場構成:たしろまさふみ(たしろまさふみデザインルーム)
アーティスティックディレクション:齋藤精一(パノラマティクス主宰)
協力:CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong、Japan House London
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ホームページ
www.mimoca.org