秋田県美郷町が運営する図書館・展示館・町の出張所を備えた文化施設・美郷町学友館にて、テキスタイルデザイナーの須藤玲子（1953-）の展覧会が10月28日より開催されている。
鉄製の釘の酸化を写し取ったデザイン。須藤玲子《錆染め釘》1994年 写真：林 雅之
日本各地の職人や工場との協働作業による従来の概念にとらわれない布づくりで、現代のテキスタイルデザインをリードし続けるNUNO。活動開始から今年で40年を迎えた。その間には失われゆく素材や手仕事がある一方で、新たな表現を可能にするマテリアルやテクノロジーの登場、サステナビリティに対する意識の高まりなどがあり、NUNOが手掛けるテキスタイルの表現、素材、製作技術も、そうした時代背景に呼応するかたちで進化を遂げてきたものである。本展では、その変遷を布づくりのプロセスと共に「ホップ・ステップ・ジャンプ !」を合言葉に紹介している。過去・現在を経て未来へと続くNUNOの活動を通じて、持続可能なものづくりと社会のヒントを探る。
また、本展では、かつて美郷町内で生活・風習・家業のひとつとして培われてきた染織にも光をあて、当時の道具など関連資料を展示。同町に伝わる染織技術やモチーフから着想を得たNUNOによる新作も初めて披露された。
左：第11回円空大賞展での展示風景 2023年 撮影：林 雅之
右：NUNO 須藤玲子、林雅之、we+によるテキスタイルインスタレーション《KYOTO nuno nuno》 展示風景 2022年 撮影：林 雅之
会場構成はデザインスタジオのwe+（ウィープラス）が担当。近年、須藤とのコラボレーションも多い彼らが過去の展覧会で手がけた、宙に浮くキューブ状のオブジェや布で覆われた空間を歩いて鑑賞する作品など、テキスタイルがつくり出すダイナミックな空間が東北・秋田の会場にも登場。写真家の林 雅之氏が撮り下ろした、NUNOのテキスタイルの驚くほど精緻かつ複雑な表情に迫った高画質の写真作品もあわせて展示されている。
information
「展示で巡る須藤玲子の布づくり ～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」
会場：美郷町学友館（秋田県仙北郡美郷町六郷字安楽寺122）
会期：2023年10月28日（土）～12月3日（日）
休館日：毎週月曜
開館時間：9:00-17:00（入館は16:30まで）
入館料：一般300円 ※高校生以下は無料
問合せ：美郷町学友館（TEL.0187-84-40400）
主催：美郷町 美郷町教育委員会
特別協力：株式会社 布
写真：林雅之
展示・グラフィックデザイン：we+
協力：HAKUTEN
美郷町学友館 外観
本展詳細（関連イベント情報など）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000058511.html
