京都国立近代美術館 開館60周年記念「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」展【読者プレゼントあり】

京都を拠点に活動したファイバーアーティストの小林正和(こばやし まさかず|1944-2004)の回顧展が、京都国立近代美術館にて1月6日より開催される。
小林は京都の生まれ。市の美術大学で漆工を学んだのち、川島織物(現・川島織物セルコン)に就職、同社の研究所考案部でファブリック・デザインの仕事に従事する中で、「1本の糸との出会い」から、糸を「垂らし」「緩め」「張り」集積させた立体造形作品を制作、1972年に発表する。翌年には第6回国際タペストリー・ビエンナーレ(ローザンヌ、スイス)に入選、以降も国内外の展示会で入賞を果たし、当時の潮流となっていた「ファイバーアート」における日本のパイオニアとして活躍した。

 

京都国立近代美術館 開館60周年記念「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」展
小林正和 《WIND-4》 1975年頃 個人蔵

 

本展は、小林正和の仕事を総覧する初の大回顧展。活動初期を代表作や大型インスタレーション作品が展示されるほか、これまで未公開のスケッチブックやドローイング、デザイン作品など約80点が展示される。さらには、小林と歩みをともにした17人の作家の作品もあわせて展示され、小林が後進作家に与えた影響や、今後のファイバーアートの展開についても考察を試みる。
関連イベントとして、オープニングを飾る講演会のほか、計4回のラウンドテーブル(トークイベント)も開催される。

 

京都国立近代美術館 開館60周年記念「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」展
小林正和 《KAZAOTO-87》 1987年 国立国際美術館蔵

 

展覧会構成と出品作家

序|糸との出会い 川島織物時代
小林正和、村田博三、向井良吉
1|糸の発見、ファイバーアートの誕生 ローザンヌとウッヂでの試み
小林正和、小名木陽一、佐久間美智子、久保田繁雄、小林尚美
2|糸と空間、ファイバーアートの拡張 京都とテキスタイル・マジシャン
小林正和、草間喆雄、熊井恭子、三橋 遵、扇 千花、新道弘之、冨田 潤、田中千世子、小林尚美
3|糸の繋がり、ファイバーアートの展開 「ギャラリーギャラリー」とデザイン・ワーク
小林正和
4|糸、そしてファイバーアートの向こうへ
小林正和、三橋 遵、戸矢崎満雄、野田凉美、島田清徳

 


小林正和 プロフィール

1944年3月31日 京都市北区に生まれる
1963年 京都府立紫野高校卒業、京都市立美術大学工芸科(漆工専攻)入学
1966年 京都市立美術大学を卒業し、川島織物に就職(研究所考案部)、ファブリック・デザインに従事
1972年 カワシマタペストリー展に《吹けよ風》を出品
1973年 第6回国際タペストリー・ビエンナーレ(ローザンヌ、スイス)に《Blow in the Wind》で入選(その後も、第7・8・9・15回で展示)
1975年 第2回国際テキスタイル・トリエンナーレ(ウッヂ、ポーランド)に《WIND – 4》で入選し、文化芸術大臣賞受賞(その後も、第3・4回で展示)。これ以降、海外展への招待が増加。国内外で活発な展覧会活動を行う。川島織物正社員を退職し、1979年まで嘱託職員となる
1976年「今日の造形《織》―ヨーロッパと日本―」展(京都国立近代美術館)に《B⁵》と《W³》を出品
1979年 成安女子短期大学教授に就任(1983年まで)、この頃からコミッションワークを手がけ始める
1981年 京都四条河原町に草間喆雄・浅井伸一とともに「ギャラリーギャラリー」を開設、1989年まで毎年個展を開催。
1985年 京都北白川に「ショップ ギャラリーギャラリー」開設(〜1987年)
1987年 第1回国際テキスタイルコンペティション’87京都に《KITE – No. 2 – 87》で入選し、佳賞受賞
1990年 京北町の自宅に私設ギャラリー「ANDGALLERY」開設
1993年 岡山県立大学開学に伴い教授に就任。国立国際美術館(大阪)で個展「近作展13 小林正和」開催
1994年 第4回国際テキスタイルコンペティション’94京都に《Sound – Collage 1-93》で入選し、優賞受賞
1996年「テキスタイル・マジシャン」展(パリ)に参加。同名の映像作品公開
2000年「小林正和・小林尚美 宙からの響き」展(群馬県立近代美術館)開催
2002年「Masakazu Kobayashi featuring Naomi Kobayashi」展(シンガポール)開催
2004年8月18日 逝去

京都国立近代美術館 開館60周年記念「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」展
フライヤーの作品:小林正和《MIZUOTO 99》 1999年頃 個人蔵

information

「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」
会期:2024年1月6日(土)~3月10日(日)
開館時間:10:00-18:00(金曜は20:00まで開館、入館は各日とも閉館30分前まで)
休館日:月曜(1月8日[月・祝]、2月12日[月・祝]を除く)、1月9日(火)、2月13日(火)
会場:京都国立近代美術館(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)
観覧料:一般:1,200円、大学生:500円、高校生以下・18歳未満は無料(学生証の提示など年齢証明要)
※障がい者手帳の提示で本人と付添1名まで無料
※母子・父子家庭の世帯員の方は無料(要証明)
※金曜18:00以降は夜間割引あり
※本料金でコレクション展も観覧可
主催:京都国立近代美術館

※関連トークイベント・ラウンドテーブル(計4回)については、京都国立近代美術館ホームページを参照

京都国立近代美術館ホームページ
https://www.momak.go.jp


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