大分県立美術館「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 –

大分市の大分県立美術館(OPAM)にて、特別展示「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 – が1月13日より開催されている。会期は2月4日まで(会期中無休)、入場無料。

本展の展示空間のデザインを、OPAMの設計者でもある建築家の坂 茂(ばん しげる)が担当、氏が考案した「PPS(Paper Partition System)」が用いられている。「PPS」とは、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに、坂氏が考案し、改良が続けられている仮設パーティションシステムで、紙管の構造材に布を掛けて間仕切りとし、その中で仮住まいを送る人々のプライバシーを護ることに大きく貢献している。

本展の出展者は、ウクライナ出身の詩人・小説家・文学翻訳家のスヴェトラーナ・ラヴォーチキナ、ドイツ・ベルリンで勝する写真家のヴィンセント・ヘイグス、戦争難民としてベルリンで生活を送っているウクライナの作曲家、ヴァレンチン シルヴェストロフ。2022年2月に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、坂氏は世界の建築家とネットワークを結び、難民避難所でPPSを展開、ウクライナ難民支援を継続して行っており、本展は今この時も続く戦争の現実と、この事態に建築家として向き合う坂氏の取り組みを伝えている。

坂氏による空間提案でもある「ペーパー・サンクチュアリ」が初めて披露されたのは、2023年6月の「ロンドン デザイン ビエンナーレ(London Design Biennale)」にて(本展フライヤーの画像はロンドンでの展示風景)。日本には2023年11月に東京・京橋(ミュージアムタワー京橋 1Fショールーム)にて展示され、今回の大分での展示はそれに続く国内巡回。被災地や難民支援を目的に、1996年に坂氏が設立したVoluntary Architects’ Network(VAN)が本展の主催者として名を連ねる。

OPAM「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 –

OPAM「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 –
©︎ Voluntary Architects’ Network(VAN)

information

「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 –
会期:2024年1月13日(土)〜2月4日(日)※会期中無休
開場時間:10:00-19:00(金・土曜は20:00まで。入場は閉館30分前まで)
会場:大分県立美術館 1階アトリウム(大分県大分市寿町2-1)
観覧料:無料
主催:坂茂建築設計、Voluntary Architects’ Network(VAN)、公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館

大分県立美術館ホームページ
https://www.opam.jp/

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