府中市美術館「Beautiful Japan 吉田初三郎の世界」

ヘリコプターなどによる空撮もなかった時代、大正から昭和戦前期にかけて、空から見下ろした視点で日本各地を描いた絵師・吉田初三郎(よしだ はつさぶろう|1884−1955年)の展覧会が、東京・府中市美術館で開催されている。

吉田初三郎は京都に生まれ、関西美術院で洋画家・鹿子木孟郎(かのこぎ たけしろう|1874-1941年)に学んだ。鉄道沿線の名所案内などで商業美術家としての名声を獲得する。観光旅行が盛んになる時代の後押しを受け、次第にその活躍の場を広げていく。
Beatutiful Japan 吉田初三郎の世界
印刷折本《京王電車沿線名所図絵》昭和5(1930)年 個人蔵

Beatutiful Japan 吉田初三郎の世界
ポスター《霧島・林田温泉》昭和10(1935)年 堺市博物館蔵

彼が描く鳥瞰図は「初三郎式」と称され、独自のデフォルメと、細部まで描き込まれている画風が特徴的。「万人が見て楽みながら解り得べきもの」と自身が語っていたように、実際の地形を正確に表現したものでなく、変幻自在の工夫が施され、理想化された風景、いわば「Beautiful Japan」の姿を創出した。
本展では10点以上の大型肉筆鳥瞰図をはじめ、ポスターや絵葉書、絵画作品なども展示され、幅広い仕事の数々を総覧することができる。あわせて、鉛筆での書き込みのある肉筆画や制作途中の校正刷りなども公開される。初三郎が活躍した時代と重なる、印刷技術が発展していった時代の鳥瞰図の変化についても展示で辿る。

Beatutiful Japan 吉田初三郎の世界
ポスター《Beautiful Japan(駕籠に乗れる美人)》昭和5(1930)年 江戸東京博物館蔵

information

「Beatutiful Japan 吉田初三郎の世界」展
会期:2024年5月18日(土)〜7月7日(日)
開館時間:10:00-17:00(展示室への最終入場時間は16:30まで)
会場:府中市美術館 2階企画展示室(東京都府中市浅間町1丁目3番地 都立府中の森公園内)
休館日:月曜
観覧料(コレクション展の観覧料を含む):一般 800円、高校・大学生 400円、小・中学生 200円、未就学児無料
※府中市内の小・中学生は「府中っ子 学びのパスポート」の提示で無料
※障碍者手帳(ミライロID可)の提示で本人および付き添い1名まで無料
問合せ先電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)

関連イベント

展覧会講座「吉田初三郎の世界」
日時:2024年6月9日(日)14:00〜
会場:府中市美術館 1階講座室
講師:大澤真理子(府中市美術館 学芸員)
定員:60名(当日先着順に受付、予約不要)

親子鑑賞会
日時:6月29日(土)14:00〜14:30予定
会場:府中市美術館 2階企画展示室
対象:小学生以下の児童およびその保護者
参加料:無料(ただし、本展の観覧料が必要)
参加方法:当日先着順に受付、予約不要

ワークショップ「館長と府中市美術館の鳥瞰図を描こう」
日時:2024年6月22日(土)14:00〜
会場:府中市美術館 1階創作室
講師:藪野 健(府中市美術館 館長、画家)
対象:中学生以上
参加費:300円(材料費、当日支払い)
定員:12名(応募多数の場合は抽選)
参加方法:要予約(申し込みフォーム、または往復はがきにて)
申込締切:6月3日(月)
ワークショップ詳細
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/event_artstudio/events/tenrankai/tenrankai_2024/2024_event_0622.html

府中市美術館 ホームページ
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/


読者プレゼント

7月8日まで有効の本展のチケットを5組10名様にプレゼント!
住所、氏名、年齢、コンフォルトの感想を明記の上、下記メールアドレスまで([@]→@に変えて)お申込みください(申込多数の場合は抽選)。
info[@]confortmag.net
*タイトルに必ず「府中市美術館 吉田初三郎展 チケットプレゼント」と明記してください。
応募締切:2024年6月7日(金)

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