
工房中庭にて泥藍づくり。写真/井島健至(以下も)
東京、沖縄、インドを拠点に、糸づくりや染色から始まるていねいな手仕事によって、布や衣服を製作してきた真木千秋さんが、東京・代官山でアートテキスタイル展「Voice of Nature」を開催する。
真木さんは、2017年に北インド、ヒマラヤの麓に工房「ganga maki」を立ち上げた。そこでは、芭蕉(ばしょう)や苧麻(ちょま)などの繊維植物、インド藍やザクロ、メヘンディなどの染色植物の栽培も始めた。素材により深く入り込む日々のなかで、さまざまな「気付き」を得ることになる。それが、新たな作品づくりへと昇華していった。
織ることが不可能と思われるくらい細く、神々しささえ感じる糸、思いがけず美しく染まった木の皮、自然なカールが愛おしい羊の毛。作品は、自然の素材にひとがていねいに手を加えることで立ち現れる、かけがえのない一瞬を封じ込めている。
さあ、作品を前にして、自分は何を感じるだろうか。ぜぜひ実物を見てみたい。
作品点数は約40点。会場構成・展示デザインは中村好文。
なお、本誌156号で、スタジオ・ムンバイが設計した北インドのガンガ・マキ・テキスタイルスタジオを特集。
本展の報告記事は、本誌209号で掲載している。

「Dancing Basho|芭蕉紙」芭蕉繊維・苧麻

「Sacred Skirt (聖なるスカート)」芭蕉、ビーマル、ヒマラヤウール 染め

たて糸づくり

土に囲われたガンガ・マキの織り工房内。設計は、スタジオ・ムンバイ。
INFORMATION
企画展名:CHIAKI MAKI & ganga maki 「Voice of Nature」
展示会期:2026年4月2日(木)〜4月12日(日)
展示時間:11:00〜19:00(最終日4月12日のみ11:00~17:00)
展示会場:ヒルサイドフォーラム (代官山)
東京都渋谷区猿楽町18-8 1階
入場料 :一般800円(学生500円)
主催 :真木テキスタイルスタジオ
協力 :一般社団法人オンザヒル
https://www.itoito.jp/Exhibitions/2026/von/von.html

真木千秋 Chiaki Maki
1960年生まれ。武蔵野美術短期大学、アメリカのロードアイランド造形大学で学んだのち、1983年より世界各国で染織に触れ、1985年からはニューヨークでテキスタイルデザインを手がけ、1990年に真木テキスタイルスタジオを立ち上げる。2009年からは拠点をインドに移し、2012年からビジョイ・ジェイン主宰「スタジオ・ムンバイ」の設計による新工房建設プロジェクトを始動、2017年ganga maki工房が完成。現在はヒマラヤの麓の工房で半農半工を目指す人々とともに植物染料や繊維等の有用植物を育て、糸づくり、染め、織りまでを自然と向き合いながら制作している。
