注.フライヤー記載の会期はスケジュール変更前のもの
江戸時代、長崎港を通じてオランダや中国から舶来した「異国」の文化は、日本の絵画や工芸にも新しい表現を引き起こした。異国的風物を主題に描いた絵画、ガラス絵や長崎版画、のぞき眼鏡で凸レンズから覗き見る眼鏡絵、大名屋敷や名所の風景を描いた東都江戸の土産絵・江戸泥絵などに、西洋の絵画技法の影響下に描かれた洋風表現を見い出すことができる。遠近法や陰影法は、本来は事物を見たままに写しとるためのものであったが、西洋の画家から直接は学ぶことのなかった日本では、独特の描写が生まれ、さらに土産絵(みやげえ)などにもなり、民間に広まることで簡略化し、写生画とは異なった魅力を持つ「洋風画」や「泥絵」へと変容していく。
本展では、日本民藝館創設者である柳宗悦(1889-1961)が、「工芸的絵画」と呼び、民画として位置付けた、江戸時代後期の洋風画と泥絵を中心に、館の所蔵品から紹介する。 |
反射式覗き眼鏡 欧州製 18世紀後半 高66.2cm
なお本展は、当初の予定では3月31日から6月14日までの会期のところ、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の予防・拡散防止のため、日本民藝館が臨時休館に入ったのに伴い、会期を含めたスケジュールが全て変更となっている(6月9日からの再開にあたり、同館館長深澤直人氏からの「
再開のご挨拶」)。
このほか、入館に関する注意事項や開館状況など、最新の情報については、会場ホームページ、公式facebookを参照のこと。