アムステルダムを拠点に活動する写真家でアーティストのシャルロット・デュマの作品を紹介する企画展。
デュマは1977年オランダ・フラールディンゲン生まれ。現代社会における動物と人の関係性をテーマに、20年にわたり、騎馬隊の馬や救助犬など、人間と密接な関係を築いている動物たちを被写体としたポートレイト作品を発表してきた。2014年からは日本を訪問し、北海道、長野、宮崎、与那国島など全国8ヶ所を巡り、各地に現存する在来馬を撮影し続けている。デュマは、馬の撮影を通じて発見した原始の風景を紐解くように、馬と関連する品々や史料との対話を試み、生と死について見る者に問いかける。本展では、デュマの近年の映像作品3点を中心に、動物と人間の関わり合いを再考する。デュマが数年来協働を続けている作家で、沖縄を拠点に創作活動を続けるテキスタイルデザイナーのキッタユウコの作品、藍染めの布を用いたインスタレーションをはじめ、8Fと9Fの2フロアにわたって展開される本展全体の会場構成を、建築家の小林恵吾(設計事務所NoRA共同主宰)と植村遥の二人が手がける。
《潮》展示風景 / Installation view of Shio
潮 | HD ヴィデオ|19’49”|2018/Shio|HD video|19’49”|2018
©Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
潮 | オーガニックコトン・琉球藍|2020/Shio|Organic cotton, ryūkyū indigo| 2020
デザイン・監修制作:キッタユウコ、染色:澤野孝(Kitta)シャルロット・デュマとのコラボレーョン
Design, direction and production: Kitta Yuko, Dyeing: Takashi Sawano (Kitta) in collaboration with Charlotte Dumas,
©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
なお、本展タイトルの「ベゾアール(結石)」とは、動物の胃や腸の中に形成される凝固物のこと。科学的に証明しうる医学的な現象からできた石でありながら、古い伝承の中ではお守りや神秘的な想像と結びつくこともあった「石」である。本展では、「ベゾアール(結石)」の現物が国内の検査施設から借り受けて展示されており、馬を死に至らしめることもあるこの「石」が、「生と死」についての問いを投げかける本展のメタファーとなっている。
Left: Bezoar | 2018 | intestinal stone of horse | 19th century | 50 x 40 cm | High pigment inkjet print| Musée Vétérinaire in Paris
Right: Image from Yorishiro | 2020 | 19’35” | 4K video | Japan
information
シャルロット・デュマ展「ベゾアール(結石)」
会期:2020年8月27日(木)~12月29日(火)
開館時間:月曜~土曜 11:00-20:00(最終入場19:30)/ 日曜 11:00-19:00(最終入場18:30)
休館日:11月14日(土)※銀座店の営業日に準じる
入場料:無料
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5‐4‐1 8・9階)
TEL: 03-3569-3300
主催:エルメス財団
助成:オランダ王国大使館
詳細:https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/200827/