「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」

チェコ出身で、ウィーンを主な拠点に活躍した、建築家のアドルフ・ロース(1870-1933)。ウィーン世紀末と呼ばれる当時の芸術潮流には批判的立場をとり、モダニズム建築の先駆者たるロースの思想と建築作品は、当時およびその後の現代建築の在り方にも大きな影響を与えた。
建築作品では、ウィーンのミヒャエル広場に面した《ロースハウス》が知られるロース。母国チェコにおいて手がけた仕事は、西部のプルゼニュ市内に重要な作品群が残されている。個人邸のインテリアデザインが多いのは、20世紀初頭の同市はオーストリア・ハンガリー帝国に属した活発な工業都市だったためで、プルゼニュにはユダヤの金融資本が集中していた。資本家たちは近代的で質の高い邸宅を求めて、当時は革新的な建築思想で知られたロースにインテリアデザインを依頼したのである。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」
プルゼニュ市 ブルメル邸 内観(Photo: Yoshio Sakurai)

現在、プルゼニュ市の西ボヘミア美術館では、2010年よりロースの調査研究を行っている。回顧展「LOOS – PILSEN – CONNECTIONS」はチェコ国内で反響を呼び、プルゼニュに現存するロースの作品は、市の共同出資によって再建され、邸宅のいくつかは整備されるなど、改めて脚光を浴びている。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」
チェコセンター東京 会場写真 ©Kensuke Kawagoe

チェコセンター東京で開催される今回の展覧会は、西ボヘミア美術館とプルゼニュ市の協力のもと、これまでの再建・整備プロジェクトを紹介するとともに、ロースが手がけたインテリアデザインにスポットをあてつつ、ロースの活動の軌跡を広い文脈で捉えることを試みる。
会場では、パネルや建築模型の展示、映像資料の上映のほか、ロースのインテリア空間への没入体験ができるVR展示もあり。日没後は、建物の外の壁に、ロースが手掛けたインテリア画像の投影も行われる。関連イベントは、詳細が決まり次第、チェコセンター東京のホームページなどで発表される。

なお、本展の研究および活動費用の一部は、一般財団法人乃村文化財団の助成金による。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」

information

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」
会期:2021年12月15日(水)〜2022年1月31日(月)
休館日:土・日曜・祝日、12月24日(金)、12月29日(水)〜2022年1月3日(月) ※但し、1月22日(土)は特別開館
開館日時:10:00-19:00
会場:チェコセンター東京(東京都渋谷区広尾2-16-14 チェコ共和国大使館内)
入場無料
※会場では新型コロナウイルス感染症対策を実施
※本展のスケジュールは予告なく変更される場合あり

主催:チェコセンター
キュレーター:ペトル・ドマニツキー(プルゼニュ市西ボヘミア美術館)
パートナー:プルゼニュ市西ボヘミア美術館、プルゼニュ市、 Adolf Loos – Plzeň、プルゼニュ州
グラフィック:ヤン・ディンスビール (Busek&Dienstbier)
協力:東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 櫻井義夫研究室
日本語パネル翻訳:櫻井義夫(東洋大学教授)

チェコセンター東京 ホームページ
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/

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