2019年に急逝した染織史家・吉岡幸雄氏を追悼し、その業績を回顧する没後初の展覧会が開かれる。
吉岡幸雄氏は、江戸時代から続く京都の「染司(そめのつかさ)よしおか」五代目当主であり、染織史家である。平安時代に記された「延喜式」などの文献や古来の染織品などを研究し、伝統の色を再現した。また、各地の染料や技術の保存と復興にも尽力した。
今展では、源氏物語で表現された衣裳や天平時代の伎楽衣裳の再現や復元、さらに、研究のために四代目の吉岡常雄氏と吉岡幸雄氏が蒐集してきた貴重な小裂類を展示する。
なお、コンフォルト176号では、六代目当主、吉岡更紗氏への取材記事「千年の色で布を染め、しつらえる」を掲載している。
吉岡幸雄(よしおか・さちお) プロフィール
昭和21年、京都市生まれ。昭和48年、図書出版「紫紅社」を設立。美術工芸の雑誌・全集・豪華本などを編集・出版。CM制作、美術展覧会の企画にも携わる。昭和63年、生家「染司よしおか」五代目当主を嗣ぐ。平成3~5年、薬師寺三蔵院の幡、薬師寺「玄奘三蔵会大祭」の伎楽装束、東大寺の伎楽装束を制作。平成20年、源氏物語の色五十四帖を再現。平成21年、京都府文化賞功労賞受賞。平成22年、菊池寛賞受賞、平成24年、NHK放送文化賞受賞。令和元年9月、出張講演先にて急逝。
『日本の色辞典』・『源氏物語の色辞典』・『王朝のかさね色辞典』(紫紅社刊)、『千年の色 古き日本の美しさ』(PHP研究所)など著書多数。
*新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、スケジュールが変更となっています。最新の情報は、会場ホームページを参照してください
information
特別展 「日本の色―吉岡幸雄の仕事と蒐集―」
In Search of Colours of Japan from Works and Collection of YOSHIOKA Sachio
会期 :2021年1月5日(火)~4月11日(日) 5月9日(日) *
前期:2021年1月5日 (火)~2月21日(日)
後期:2021年2月23日(火)~5月9日(日)
*当初、4月11日までだったところ、会期が延長されました
*新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、4月27日(火)より全館休館
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合、翌日)、4月12日(月)、13日(火)
入館料:一般 1400円 、学生1100円
主催:細見美術館 染司よしおか 京都新聞
特別協力:紫紅社
監修:河上繁樹氏(関西学院大学教授)
会場:細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
http://www.emuseum.or.jp