19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで広く流行した芸術運動「アール・ヌーヴォー」。その誕生には、遠く離れた日本の美術が影響を与えたとされる。日本人にとってのアール・ヌーヴォーは、文字通り、最先端の芸術運動を意味するとともに、西洋のモード / 新しい様式とその流行に還流した、みずからの姿を映しだす鏡でもあったともいえる。
アルフォンス・ミュシャ《サラ・ベルナール》1896年 東京国立近代美術館蔵
本展では、アール・ヌーヴォーの時代を代表するアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド(1863-1957)や アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)の作品とともに、初代宮川香山(1842-1916)や、図案家の杉浦非水(1876-1965)らが残した仕事など、日本の工芸やデザインへの展開もあわせて紹介する。
さらには、アール・ヌーヴォーの源泉としての日本美術にも着目し、潮流の底に見られる、自然への眼差しが現代にまで受け継がれている様相なども、多彩な作品でたどっていく。
杉浦非水《三越呉服店 新館落成》1914年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローワートワークス ©︎2000
主な出展作家:アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレ から、杉浦非水、浅井忠、神坂雪佳、初代宮川香山、板谷波山 ほか
金沢の国立工芸館で開催される今回の展覧会では、東京国立近代美術館のコレクションに加えて、京都国立近代美術館が所蔵する関連作品も展示し、アール・ヌーヴォーをさまざまな視点から俯瞰し、考察する。
展示構成
1.日本のインパクトと〈新しい芸術〉の誕生
2.アール・ヌーヴォーの先へ、図案家たちが目指したもの
3.季節がめぐる工芸、自然が律動するデザイン
関連イベントとして、本展を企画した国立工芸館主任研究員の中尾優衣氏による講演会「アール・ヌーヴォーとめぐる、日本の工芸とデザイン」が、2月6日に国立工芸館にて開催される(定員40名・要予約。先着順にて受付。本展覧会の観覧券[半券可]が別途必要)。
information
「めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン」
主催:東京国立近代美術館
会場:国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
会期:2021年12月25日(土)〜2022年3月21日(月・祝)
※会期中、一部展示替えあり(前期 2021年12月25日〜2022年2月6日、後期 2022年2月8日〜3月21日)
開館時間:9:30-17:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(最終日3月21日は開館)
観覧料:一般 300円、大学生150円、高校生以下および18歳未満・65歳以上は無料
※各種割引については国立工芸館ホームページを参照
※オンラインによる事前予約(日時指定・定員制)を導入
※新型コロナウイルス感染症対策を実施(最新の開館状況は国立工芸館ホームページ・SNSにて随時発表)
関連イベント詳細
https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/the-cyclical-nature-of-art-nouveau/#section1-3
国立工芸館ホームページ(関連イベント詳細)
https://www.momat.go.jp/cg/
読者プレゼント
この展覧会のペアチケットを抽選で5組10名様にプレゼントします。
メールタイトルに必ず、「金沢 国立工芸館 めぐるアール・ヌーヴォー展 チケットプレゼント」と明記し、送付先の住所・郵便番号・氏名、年齢と、『コンフォルト』の感想もお書き添えのうえ、下記メールアドレスまで([@]→@に変えて)お申し込みください。
info[@]confortmag.net
応募締切:2022年1月25日(火)
ご応募をお待ちしております。