現代美術におけるセルフポートレートの先駆者の一人、森村泰昌の大規模展が京都市京セラ美術館で6月5日まで開催されている。
森村泰昌は1951年大阪生まれ。1970年代に京都市立芸術大学で学び、1985年ゴッホに扮したセルフポートレート写真でデビュー。美術史における名画の登場人物や歴史上の人物、女優に扮するセルフポートレートを制作することで、ジェンダーや人種を含んだ個人のアイデンティティの多重性を視覚化し、個人史と歴史の交錯点を表現してきた。
森村泰昌《ワタシの迷宮劇場 M187》1997頃 ©Yasumasa Morimura
本展は、京都においては1998年以来となる、森村の大規模な個展。これまでほとんど発表されることのなかった、1985年から撮りためている秘蔵のインスタント写真約800枚に加え、1994年に森村が自作の小説を自ら朗読したCD《顔》の音源をもとに、展示室に特設の音響空間をしつらえ、無人朗読劇として再制作も行われる。35年余り継続されてきた、作家の私的世界の全貌が公開されるのは初の試み。
森村泰昌《ワタシの迷宮劇場 M040》2004年 ©Yasumasa Morimura
会場構成を、建築家の青木 淳(現・京都市京セラ美術館館長)とともに、館の大規模リニューアルプロジェクトを手がけ、新館東山キューブの設計も手がけた西澤徹夫(西澤徹夫建築事務所)が担当する。
information
京都市京セラ美術館開館1周年記念展「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」
会期:2022年3月12日(土)~6月5日(日)
開場時間:10:00-18:00(最終入場は17:30まで)
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
休館日:月曜(会期中の3月21日、5月2日を除く)
観覧料:一般2,000円、大学・専門学校生 1,600円、高校生1,200円、小中学生800円、未就学児無料
※割引チケットの詳細は美術館ホームページを参照
主催:森村泰昌展実行委員会(京都市、毎日新聞社、京都新聞)
協賛:ARTS ISOZAKI、千島土地
協力:川島織物セルコン、富士フイルム、 カラーキネティクス・ジャパン、有限会社一風堂、 THEATRE E9 KYOTO
京都市京セラ美術館ホームページ
https://kyotocity-kyocera.museum/
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