福岡市美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」

福岡県の福岡市美術館にて、展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」が6月19日まで開催されている。
ミナ ペルホネン(minä perhonen)は、デザイナーの皆川明(1967-)が1995年に設立したファッションブランド「ミナ(minä)」に発して以降、流行に左右されずに長年着用できる普遍的な価値を持った「特別な日常服」をコンセプトとし、日本各地の生地産地との関係性を築きながら、オリジナルの生地からプロダクトを生み出す独自のものづくりを継続して行ってきた。2003年に「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」に改称。活動の領域も服づくりからインテリアや食器などの生活全般へと広がり、現在ではホスピタリティを基盤にした分野にも拡張している。

福岡市美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」


展覧会公式カタログ:(左)通常版カバー“tambourine” / (右)福岡会場限定カバー “triathlon” ※数量限定

展覧会タイトルにある「つづく」とは、「せめて100年つづくブランドに」という皆川の思いのもと誕生したブランドの時間的な継続性を示すものであるとともに、つながる・連なる・手を組む・循環するといった、モノや人が連鎖し、何かを生み出していくエネルギーを想起させる言葉でもある。多義的な意味をもつ「つづく」をキーワードに、本展では、生地や衣服、インテリア、食器などのプロダクトに加え、デザインの原画、映像、印刷物、皆川明の手による挿絵など、その創作の背景を浮き彫りにする作品群や資料も併せて展示される。ミナ ペルホネンと皆川明のものづくりと、その思考について迫る大規模展であり、展示室の外の館内にも、ミナ ペルホネンのテキスタイルによる館内装飾が展開される。
さらに、4月12日から14日にかけて、福岡市美術館にて皆川が公開で制作し、完成した高さ3m・幅6mの大型絵画〈Unreachable landscape〉も展示されているのも、東京会場にはなかった大きな見どころとなっている。
福岡市美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
大型絵画〈Unreachable landscape〉を公開制作中の作家

本展は、ブランド設立25周年にかかる2020年とその前年より、東京都現代美術館で開催され、好評を博した同タイトルの企画展の巡回展。東京会場と同様に、グラフィックデザインを葛西薫が、展示構成を建築家の田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が担当している。

information

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
会期:2022年4月23日(土)〜6月19日(日)
休館日:月曜日
開館時間:9:30-17:30(入館は17:00まで)
会場:福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1-6)
観覧料:一般 1,600円、高大生 1,000円、小中生 600円

展覧会特設サイト
https://mina-tsuzuku.jp

福岡市美術館公式サイト
https://www.fukuoka-art-museum.jp/

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