ふだんなにげなく使っている、クリップなどの文房具、ソープディッシュなどの日用品を誰がデザインしたのか、私たちはあまり気にしない。しかしながら、その使い勝手や、身のまわりに置いたときの心地よさなどは、デザインによって生み出されている。
本展でスポットをあてる宮城壮太郎（1951-2011）は、そのような日常のものと空間を数多くデザインし、世に送り出した。
千葉大学工学部でプロダクトデザインを学んだ後、従来にない考え方の商業施設や製品を世に問うて注目を浴びていた、浜野商品研究所に入所する。ここで宮城は、プロダクトやインテリア、サインのデザインなどを手掛け、1988年に独立した後、その活動領域を広げてゆく。企業の活動に視覚的な統一感をつくり出す、コーポレート・アイデンティティの策定もそのひとつである。
宮城は世田谷に居を構え、デザイナー、デザインコンサルタントとして、60歳という若さでこの世を去るまで、「デザインに何ができるか」を問い続け、第一線で活躍した。
本展は、宮城壮太郎の活動を総覧する初の回顧展である。人々の目に触れる、日用品や文房具、ホテルのサイン計画や、産業用ロボットのモーターやコンピューターの冷却用ファンといった工業用部品など、知られざる宮城の仕事の軌跡をあらためて検証し、彼が残したデザインを通じて、現代生活のなかでのデザインの可能性を探る。
展示構成
プロローグ 浜野商品研究所の頃
第1章 チェリーテラス、アッシュコンセプト・ルボア・村上タオル、山洋電気、プラス、アスクル
第2章 さまざまなデザイン
第3章 ホテルのサイン計画
第4章 二子玉川の再開発計画
エピローグ 宮城壮太郎の想い
フライヤーに使用されたプロダクト：オールラウンドボウルズ 2005年（チェリーテラス）
information
「宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの」
英語タイトル：MIYAGI Sotaro: The useful and the Beautiful
会期：2022年9月17日（土）〜11月13日（日）
開館時間：10:00〜18:00
休館日：月曜（但し、9月19日[月・祝]、10月10日[月・祝]を除く）、9月20日（火）、10月11日（火）
会場：世田谷美術館（東京都世田谷区砧公園1-2）
当日観覧料：一般 1,200円、65歳以上 1,000円、大高生 800円、中小生 500円
※障害者の方：500円（小中高大学生の障害者は無料）、介助者1名まで無料
問合せ先：050-5541-8600（ハローダイヤル）
世田谷美術館ホームページ
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
読者プレゼント
この展覧会のペアチケットを抽選で5組10名様にプレゼントします。
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応募締切：2022年9月30日（金）
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