佐野文彦+田中英行 二人展「Sakan/Ukan」

滋賀県を拠点とする西口左官が、同県栗東市にオープンした左官のショールームをオープン。その杮落しとなる展示会「Sakan/Ukan」が12月10日より開催されている。

西口左官「美術家/建築家 佐野文彦と現代美術家 田中英行の二人展」

本展では、現代美術家で建築設計も手がける文彦と、現代美術家の田中英行の二人展で、それぞれの作品が展示されている。なお、会場であるショールームのコンセプトデザインとプランニンを田中が、設計者を佐野がそれぞれ担当している。会期初日の12月10日には、両作家に西口左官の代表を務める西口哲史が登壇し、木下浩佑氏(FabCafe Kyoto ブランドマネージャー)がモデレーターを務めたギャラリートークも開催された(後日オンラインにて限定公開予定)。

西口左官は、熟練した左官職人による多様な鏝(こて)仕事で、商業施設から住宅まで数多くの壁の左官を担当してきた。ショールームでは、これまでに蓄積してきた職人技や知見を活かして土の可能性を探り、建築家・アーティスト・デザイナー・そのほか多様なプレイヤーとともに、新たな表現の扉を切り開いていく場となることを目指す。

西口左官「美術家/建築家 佐野文彦と現代美術家 田中英行の二人展」
佐野文彦《定まらないもの》
100年以上の時間を生きてきた春日杉が持つ唯一無二の造形に手を加えることで、本来見えなかった面があらわれる。”無作為の造形への作為”により、隠れていた無作為の造形がまた露出し、それを作為で埋める。見えてくるのは素材そのもの。

佐野文彦プロフィール:建築家、現代美術家
1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所などを経て、2011年独立。現場を経験したことから得た、工法や素材、寸法感覚などを活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ作品を製作している。2016年には文化庁文化交流使として世界16か国を歴訪し各地でプロジェクトを敢行。さまざまな地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、インスタレーションなど、国内外で領域横断的な活動を積極的に続けている。

西口左官「美術家/建築家 佐野文彦と現代美術家 田中英行の二人展」
田中英行《Nullus》
タイトルの《Nullus》はラテン語より。直訳すると無(none)の意。プリミティブでありながら左官技術によって変化がつけられたさまざまな土のテクスチャーが、神道の紙垂(しで)から着想を得た幾何学的なフォルムの中でリズムを奏でる。平面作品を構成するそれぞれのピースは、左官のサンプルピースとして入れ替わり、変化し続ける。

田中英行プロフィール:現代美術家/Qe to Hare Inc.CEO
京都府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科MFA取得、アーティストとして世界12カ国45都市、60以上の美術館、ギャラリー、アートセンター、芸術祭などに作品出展。2007年より美術系大学での非常勤講師およびゲスト講師を務める。2011年NPO法人Antenna Mediaを設立、2019年株式会社Qe to Hareを設立、アーティストの視点からさまざまなスタイルでボーダレスにクリエイティブな事業を展開する。これまでの主な展覧会に「Power, Where Does the Beauty Lie」SOMA美術館 / 韓国、「六本木アートナイト」ミッドタウン / 東京、「VIDEONALE 11」ボン美術館 / ドイツなどがある。

ingformation

西口左官ショールーム オープニング展「Sakan/Ukan」
主催:西口左官
企画:Qe to Hare Inc.
会場構成:Fumihiko Sano Studio
協力:共同技術開発プラットフォーム

会場:西口左官ショールーム(滋賀県栗東市御園840-1)
会期:2023年12月10日(日)〜2024年12月2日(月)
営業時間:10:00-16:00
休業日:年末年始・GW・夏季休業期間ほか不定休
入場料金:無料・ただし要予約(西口左官ホームページ「CONTACT」問合せフォーム、または下記専用フォームにて受付)
問合せ先:西口左官

ショールーム、展示会「Sakan/Ukan」入場予約・問合せ先
https://forms.gle/YQJqCAsY6bMv3tsY7

西口左官ホームページ
https://nishiguchisakan.com/

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