東京・多摩市にある旧多摩聖蹟記念館にて、「多摩聖蹟記念館と建築家・蔵田周忠」が2月29日より開催されている。会期は5月26日まで。
本展の会場である旧多摩聖蹟記念館(旧称・聖蹟記念館)は、明治天皇の行幸を記念して1930年(昭和5)に建てられた洋風建築で、多摩市の指定文化財、東京都「特に景観上重要な歴史的建造物等」選定、ドコモモ・ジャパンの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築264選」などに選定されている歴史的建造物。
旧多摩聖蹟記念館 外観
旧多摩聖蹟記念館 内観/明治天皇騎馬像
今回の春季企画展でスポットがあてられる蔵田周忠(くらた ちかただ|1895-1966)は、関根要太郎(1889-1959年)とともに聖蹟記念館を設計した建築家のひとり。分離派建築会に参加していた蔵田は、1922年(大正11)に技師として関根要太郎建築事務所に入所し、”関東の宝塚”とも当時称され評判をとった京王閣(1927年)などの設計を担当。独立後は、ロシア文学者の米倉正夫の自邸、出身地である山口県の山口市庁舎などを設計している(蔵田の出身は萩市)。また、東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)、武蔵工業大学(現:東京都市大学)でも教鞭をとり後進を指導したほか、海外の建築を日本に紹介した著作なども多い。
本展は、蔵田の生涯を振り返るとともに、建築という視点から旧多摩聖蹟記念館を捉え直し、その魅力を紹介する。
展示構成
I.欧米建築の受容と分離派建築会
欧米建築の受容/分離派建築会発表の建築物/大正11年平和記念東京博覧会
II.蔵田周忠と多摩聖蹟記念館
関根建築事務所/京王閣の設計/多摩聖蹟記念館の設計/多摩聖蹟記念館のインテリアと明治天皇騎馬像
III.蔵田周忠の住宅建築
住宅への関心/個人住宅の設計/ドイツ留学とジードルンク研究/日本の都市計画への応用
IV.戦後の活動と教育者としての蔵田周忠
武蔵野工業大学/学生とのフィールドワーク/関連年表
information
2024年春季企画展「多摩聖蹟記念館と建築家・蔵田周忠」
会場:旧多摩聖蹟記念館(東京都多摩市連光寺5-1-1 都立桜ヶ丘公園内)
会期:2024年2月29日(木)~5月26日(日)
休館日:月・水曜(祝日を除く)、3月21日(木)、4月30日(火)、5月7日(火)
開館時間:10:00-16:00
入館料:無料
共催:多摩市教育委員会、東京都市大学
監修:岡山理香(東京都市大学教授 芸術学/建築・デザイン)
関連イベント
学芸員による展示解説
日時:2024年3月9日(土)、4月13日(土)、4月27日(土)、5月11日(土)
開催時間:各日10:00~12:00、13:00~15:00のあいだでそれぞれ15分程度
聴講申込:不要
※時間内に記念館事務室への申し出があり次第、適時で行う
講演会
日時:2024年4月予定 ※詳細が決まり次第、多摩市ホームページにて発表予定
会場:東京都市大学 世田谷キャンパス(東京都世田谷区玉堤1-28-1)
登壇者:岡山理香 ほか
多摩市ホームページ/本展開催告知
https://www.city.tama.lg.jp/kanko/event/1013920.html