1912年(明治45)創業の写真館・東條會舘(東京・麹町)にて、実際の風景をあたかもジオラマ写真のように表現した作風で知られる写真家の本城直季の作品展が開催されている。
©︎ Naoki Honjo
©︎ Naoki Honjo
本展タイトルにある「直径2.5cm」とは、カメラレンズの直径25mmを指す。東條會舘が大正・昭和期から使用していたさまざまな写真機器のほか、本城が愛用してきたカメラもあわせて展示されており、両者によるコラボレーション展となっている。
メッセージ
数万光年先を映し出す、天体望遠鏡のレンズ。天井裏に見つけてしまった、隙見のできる裂け目。不思議の国のアリスに登場する、ウサギの穴。
人は、覗き込むことが好きで、その先にある世界を見てみたいと、いつも好奇心に駆られます。ファインダーから覗き込む世界や、アーティストがとらえている世界は、実像の世界とは違うものなのか? 会場に点在する「覗く体験」が、来場者に問いかけます。
本城直季がカメラの目で捉えた人間の営み、生き物の痕跡、世界の事象。時にミニチュアのジオラマ写真のようだと例えられる作品群の世界に浸りながら、改めて「見ること」「見えること」を考えます。
誰もが持ち得る直径2.5cmに映る世界は、どのように「見える」のでしょうか?
本城直季 プロフィール
1978年東京都生まれ。2004年、東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。『small planet』(リトルモア、2006年)で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞。作品制作を続ける傍ら、ANA機内誌『翼の王国』で連載するなど、幅広く活動している。近年の主な展覧会に「(un) real utopia」(東京都写真美術館、2022年)がある。作品はメトロポリタン美術館やヒューストン美術館にパーマネントコレクションとして収蔵されている。
https://honjonaoki.com/
information
「本城直季の世界 はてしない直径2.5cm」展
出展作家:本城直季
会期:2024年5月18日(土)〜7月15日(月・祝)
会場:東條會舘写真研究所(東京都千代田区麹町1-6-12)
開館日:金・土・日曜、祝日(祝日を除く月曜〜木曜は休館)
開場時間:13:00‒19:00
入場料:無料(予約不要)
※会場への問い合わせは東條會舘公式インスタグラムの「メッセージ」機能をご利用ください
東條會舘インスタグラム
https://www.instagram.com/tojo_kaikan_photo_lab/
創業初期の東條會館写真研究所 内観。現在の建物はこの創業当時の姿を色濃く残している。
東條會舘 ホームページ
https://www.tojo.co.jp/