
毎年1月と9月のパリから発信する、インテリアとデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」。
2005年9月展の大規模なリニューアルに続き、1月15日〜19日に開催される2026年1月展も新たな装いで開催される。
■1月展のテーマは「PAST REVEALS FUTURE」

2026年1月展のインスピレーションテーマは「PAST REVEALS FUTURE(過去が未来を映し出す)」。
METAMORPHOSIS(変容)、MUTATION(突然変異)、RECOMPOSED BAROQUE(再構築されたバロック)、NEO-FOLKLORE(ネオ・フォークロア)という4つのマニフェストを掲げ、未来の解釈を提案する。
30年以上にわたって「アートクラフトと現代デザインの出会いの場」という唯一無二のアイデンティティを育んできた同展らしく、7つのホール・6つのセクターにわたってコンセプトに基づいた空間と演出を展開するという。
■リニューアルによってWHAT’S NEWが1月展の企画に

これからのトレンドをいち早く紹介するWHAT’S NEWが、1月展で復活する。エリザベス・ルリッシュ、フランソワ・デルクロー、ルディ・ゲネールの3名が、それぞれの視点からインテリアデザインや店舗、さらにホスピタリティ空間のデザインについての見解を体験として表現する。
■デザイナー・オブ・ザ・イヤー2026はハリー・ヌリエフ

デザイナー・オブ・ザ・イヤーも、1月展のみでの開催となった。これまでにも錚々たる世界のデザイナーたちが受賞してきた本賞だが、2026年はハリー・ヌリエフに決まった。ニューヨークタイムズ誌に「現代ミニマリズムを牽引する先駆者のひとり」と称された革新的なデザイナーであり、手仕事と現代デザインの境界に立つ彼は、自らの創作におけるマニフェスト「トランスフォーミズム」を通じて、物体・空間・意味の変容について、深く探求することを私たちに促すという。これまでにない没入型の空間デザインを考案中とのことで、どのような展示を展開してくれるか、楽しみだ。

さらに、2025年に初めて開催し、多くの注目を集めたという「CURATIO curated by Thomas Haarmann」は世界から60組の参加者を迎えて拡大する。一つひとつの作品を通して、素材の背後にある意図や職人技が見えてくるという。
ほかにも工芸作家にスポットを当て毎回来場者を楽しませている「CRAFT」、今回初開催の「Village Manufactures of Excellence(卓越したものづくりの村)」など、フランスのものづくりの懐の深さを体感できる展示が多く用意されている。
■パリ市内で展開される「IN THE CITY」

また、パリ市内でのBtoBイベント「IN THE CITY」も開催。この回遊型イベントは、デコレーター、インテリアデザイナー、ギャラリー、大手メゾン、卓越した職人といった、パリの優れたインテリア装飾のエコシステムを構成する100のスポットを網羅。オンサイト(展示会場)とオフサイト(市内の見学やイベント)を組み合わせることで、包括的な体験を提供する。
さらに、オンラインでのコミュニティプラットフォームMOMも拡大している。
卓越した技術と現代的なビジョンを通して新しい暮らしのかたちを体現するクリエーターや企業にスポットを当てるメゾン・エ・オブジェ。ここでは、革新が伝統と対話し、継承によって創造が加速し、何世代にもわたって受け継がれてきた技が現代のイマジネーションと出会うことで新たなものを生み出す。パリがデザインの世界的な都であるとともに、伝統が新たなかたちで響き合い、明日のデザインの輪郭を描き出す、生きたショーケースである。メゾン・エ・オブジェを訪れたら、その意味が体験として理解できるだろう。
メゾン・エ・オブジェ・パリ 2026年1月展
- 会期 2026年1月15日(木)〜19日(月)
- 会場 パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
- 詳細 https://www.maison-objet.com/en/paris
- 問合せ メゾン・エ・オブジェ日本総代理店/株式会社デアイ
mo-japon@deai-co.com