中野正貴 | Refrain ―東京慕景

Ginza, Chuo-ku, 1996 ©Masataka Nakano

2019年末から今年1月にかけて、東京都写真美術館で開催した「東京」展において、巨大で濃密なプリントで空間を埋め尽くし、圧倒的な迫力で話題をさらった、写真家の中野正貴(なかの・まさたか)の個展。


Refrain -リフレインー
同じフレーズを繰り返して印象を刻む楽曲のように、東京もスクラップ&ビルドを繰り返している。
「東京」の奏でるメロディは果たしてどんな楽曲に仕上がるのだろうか?

中野 正貴


中野の代表作は、8×10の大型カメラを用いて、11年かけて誰もいない東京を撮影した写真で構成される作品集『TOKYO NOBODY』(2000年 リトルモア)や、続く写真シリーズで、個人の日常と窓外の社会を対比させた『東京窓景』(2004年 河出書房新社)などが知られている。 30年以上、東京にこだわり、大型カメラで撮影をしてきた中野の写真には、過密な都市・東京の多彩な相貌が凝縮されており、その作品からは、過去への懐かしさ、近未来の姿など、人々の記憶や痕跡なども感じとれる。本展では、これらの作品のオリジナルプリントを展示する。

なお、本展は、4月11日から開幕する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、会期を6月1日からに変更して開催される。
政府による緊急事態宣言が発令されて以後の東京をはじめ、海外各国の大都市に見られる様相はまさに「無人の街」であり、奇しくも、中野の『TOKYO NOBODY』に収められた世界をみるかのようである。

Azumabashi, Sumida-ku, 2004 ©Masataka Nakano

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