島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」

島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」展示作品
奈良原一高《塔 Segovia Spain〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1963-65年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

島根県立美術館にて開催中のコレクション展。
1999年3月に開館した同美術館では、戦後の日本を代表する写真家の1人で、地元の松江高校の卒業生でもある奈良原一高(1931-2020)を、同館における重要な作家として、作品の収集などに努めてきた。2010年には、企画展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」も開催している。
2020年1月に没した奈良原の遺族から、同企画展に出品された作品群を含む、305点の作品寄贈を受け、所蔵は合計775点に。奈良原の活動の全体像を見通せる世界最大規模のコレクションを有するに至っている。

「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」と題した本展では、新たな収蔵品のなかから《ヨーロッパ・静止した時間》《ジャパネスク》のシリーズ約110点を紹介する。

島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」展示作品
奈良原一高《樹 Paris〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1965年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」展示作品
奈良原一高《色〈ジャパネスク〉より》1968年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

タイトルにネーミングされている勝井三雄(1931-2019)は、日本の戦後デザインを牽引したグラフィック・デザイナーの1人で、奈良原と親友の間柄。前述の奈良原の企画展が2010年に開催された際には、会場に足を運び、自らの作品を語る奈良原の文章の美しさに感銘を受けたという。そのことが契機となり、勝井がアートディレクターを務め、書籍『太陽の肖像 奈良原一高文集』が刊行されたという経緯がある。
本展では、勝井が手がけた、日本デザイン史に残るポスターと、勝井と奈良原が共作したカレンダーが多数展示される。
さらに、来場者には、12ページの冊子「写真家・奈良原一高の物語」が無料で配布される。
なお、島根県立美術館では、2023年度以降も、新収蔵品の披露を予定している。

島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」展示作品
《富士紡績カレンダー 1967》 デザイン:勝井三雄 衣装:森英惠 撮影:奈良原一高 1966年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

会場となる島根県立美術館は、2021年5月から約1年におよぶ大規模改修を終え、6月1日にリニューアルオープンしたばかり。建築家の菊竹清訓(1928-2011)が設計した代表作の1つとして知られている。

島根県立美術館
島根県立美術館

information

「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」
会期:2022年9月2日(金)~11月28日(月)
休館日:火曜
会場:島根県立美術館 コレクション展示室4・5
所在地:島根県松江市袖師町1-5
開館時間:9月 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時間まで)/ 10-11月 10:00〜18:30(展示室への入場は18:00まで)
料金:一般:300円、大学生:200円、高校生以下無料

関連イベント

「ギャラリートーク」(担当学芸員による作品解説)
開催日時:2022年10月16日(日)14:00~(約60分)
会場:島根県立美術館 コレクション展示室4・5
講師:蔦谷典子(島根県立美術館 主任学芸員、本展企画者)
※聴講はコレクション展観覧料が必要

島根県立美術館ホームページ
https://www.shimane-art-museum.jp/

Related Posts

Begin typing your search term above and press enter to search. Press ESC to cancel.

Back To Top