森林体験ツアー・こぼれ話

2020年11月19日、東京多摩地域の檜原村での森林体験ツアーに参加しました(詳細は2021年1月号で)。主催はフェアウッド応援宣言を掲げる乃村工藝社で、全国木材連合会が共催したイベントでした。
ガイドを務めた秋川木材協同組合の高濱謙一さんは、檜原村の林業について、また山から海までの生物の連関などを説明しながら軽やかに歩を進めるのだけれど、テレワークで体力が衰えた身にはきつい山登りでした。

高濱さんの説明でおもしろかったもののひとつに、ヒノキとサワラの見分け方があります。ヒノキは言わずと知れた、建材のトップに君臨する木材。薄ピンクから淡黄色の優しい色目、緻密な肌合いと光沢は品格を感じさせます。そして、通直でくるいが少なく、耐水性・耐朽性もあって、構造材としても優れています。一方、サワラはというと、ヒノキよりも色はくすんでいるけれど素直な材なので加工しやすく、造作材として用いられます。耐水性の高さから浴槽の材料にも向いており、また割裂しやすいので、枌板に加工して茶室や数寄屋の天井に張られることも。

ヒノキとサワラ、どちらもヒノキ科ヒノキ属。樹皮も葉も似ていて、立木の状態では瞬時に判別しづらい木です。
「葉を裏返してみてください」と高濱さん。「Y字がヒノキ、Xがサワラです」。

右がヒノキ、左がサワラ
並べて目を凝らすと緑の葉っぱに白い線が連なっている。ヒノキはYに、サワラはXに。なるほど! と膝を打ったのでした。よーく見ると、ヒノキは先端がトゲトゲ、サワラは丸っこい。
もし森林に行く機会があったら、ぜひ葉を裏返して観察してください。

(編集部/阪口公子)

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