「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ」展へ!

メゾン・エ・オブジェのこれまでとこれからを体感できる
「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ」展が、
3月21日(月・祝)まで開催されています。
初日に行われたプレス向けの内覧会に行ってきました。
会場を入るとまず、シャルロット・ペリアンの家具が並びます。

1941年に髙島屋(東京、大阪)で開催された
シャルロット・ペリアンの「選擇・傳統・創造」展(1941年)で発表されたものの復刻です。
そして、壁のタペストリーはル・コルビュジエ「外部に倦怠が漲る」。
1955年に髙島屋日本橋店で開催された
「巴里1955年 芸術の綜合への提案 ル・コルビュジエ、レジェ、ペリアン三人展」
で発表された現物で、髙島屋史料館が所蔵している貴重なものだそう!
この髙島屋とペリアン、そしてフランスとの深い関わりが、
今回、髙島屋がメソン・エ・オブジェの展覧会を招致するきっかけになったそうです。

シャルロット・ペリアンの家具。右から椅子「OMBRA TOKYO」、シェーズロング「TOKYO」、スツール「TABOURET BERGER」。いずれもカッシーナによる復刻版

1部は、「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」歴代受賞者から21人の作品を紹介。
特に椅子と照明に着目し、それぞれのデザイナーごとに展開されます。
「身近だけれど機能的で、デザイナーのコンセプトを感じられる椅子と、
テクノロジーのシンボルでもある照明、
あえてこの2つに絞って紹介することにしました。
デザイナーのアトリエを訪ねているような感覚で、楽しんでいただけたら」
と、メゾン・エ・オブジェ日本総代理店であるデアイの代表、榎本アコさん。
錚々たるデザイナーたちが受賞されていることの驚きと、
その代表作を一度に見られることの贅沢さを味わえる構成です。

右はデザイナー・オブ・ザ・イヤー1999のパオラ・ナヴォーネのコーナー

2部は、「ホワッツ・ニュー エレメンツ・オブ・ネイチャー」。
メゾン・エ・オブジェ出展者の新作コレクションから200点ほどのプロダクト並びます。
本来、1月に開催予定だったメゾン・エ・オブジェ2022年1月展が、
コロナ禍の影響で3月24〜28日に延期になったことにより、
なんとパリでの展示に先駆けての紹介になっています。
2020年1月に開催された際に私ははじめてパリの会場を訪れましたが、
広大な会場にプロダクトがずらりと並ぶワクワク感を思い出しました。
Essentiel Nature、Contemplative Nature、Sculptural Natureの
3つのゾーンに分かれており、
これからのインテリアトレンドが感じられる空間。
デジタルクリエイションによるゾーンごとの壁面装飾にも注目です。

右がオーセンティックな天然素材を使った「Essentiel Nature」
水や光などの静かで穏やかな世界に誘う「Contemplative Nature」
有機的で彫刻的なパワーのある「Sculptural Nature」
3部は、「ライジング・タレント・アワード」を受賞した日仏のクリエイターの作品を展示。
毎回、1つの国がフィーチャーされるライジング・タレント・アワード。
2022年は日本のクリエーターから選ばれた6名の作品が展示されています。
2020年に受賞したフランスのクリエイターの作品とともに展示されており、
「ダイアローグ(対話)」という本展のタイトルを実感するような構成です。
右が日本のクリエイター、左がフランスのクリエイター。まさに対話を促す構成
日本の受賞クリエイターの1人、氷室友里さんの作品「SNIP SNAP」は、二層になった生地の表面をハサミでカットすることでテクスチャーをつけたり、下から出てくる柄を見つけたりできる

メゾン・エ・オブジェの主催者であるSAFIが総指揮をとるこの展覧会。
キュレーションから会場構成まで、すべてがパリのチームが手がけているところもポイントです。
1部と3部のキュレーションは、フランソワ・ルブラン・ディ・シシリア。
2部のキュレーションと、1〜3部の会場構成は、エリザベス・ルリッシュ。
総合ディレクターは、ジャンリュック・コロナ・ディストリアが担当しています。
来日は叶いませんでしたが、実際の会場とオンラインでつなぎながら、
展示品の位置まで彼らがディレクションしたそうです。
このように、メゾン・エ・オブジェが本国を飛び出して展示するのは、今回がはじめてのことだそう。

最近は、海外の展示会に足を運んだり、
トレンドを体感する機会も減っている人がほとんどではないでしょうか。
この展覧会を訪れて、本物に触れて、たくさんの刺激を受け、
コロナ禍から2年経ち、そのことにも慣れてしまっていたんだなと気付かされました。
そして、これからの暮らしについて誰かと話したくなる、そんな展示になっています。
ご興味ある方は、ぜひ訪れてみてください!

そして、見終わったあとは4階の
髙島屋史料館TOKYOで8月21日まで開催されている
に行くのもおすすめです!

(編集部 渡辺)

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